Fangdd Network Group Ltd.DUO

時価総額
PER
不動産取引のデジタル化サービスの有力企業。不動産向けオンラインマーケットプレイスとSaaS、AIマッチングを展開。2024年12月時点で従業員134名、2025年4月にClass C株15,159株の発行を実施した資本イベント。中国の15都市で展開。

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企業概況
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業績概況
テーマ
ブランド
ライバル企業
1社)
同業種の日本企業
2社)

事業内容

Fangdd Network Group Ltd.は中国を拠点とするPropTech企業で、不動産取引のデジタル化を軸にオンラインの不動産マーケットプレイスを運営しています。同社は幅広い物件掲載とワンストップの取引フローを通じて、売り手・買い手・仲介業者が効率的に取引できる環境を提供しています。

主要な顧客は不動産仲介会社や個々の仲介者、物件売り手、買い手やデベロッパーが中心で、とくに仲介業者の利用が収益の核となっています。同社は仲介向けのサブスクリプションやクラウド型業務支援ソフトの利用料、物件のデジタルマーケティングや取引に伴う手数料、付帯サービスから収入を得ています。

事業は大きく市場プラットフォーム、仲介向けの業務支援ソフト、デジタルマーケティングやデータ分析サービスの三本柱に分かれます。同社は物件の掲載・検索・マッチング機能に加え、エージェント向けの業務管理ツールや販売支援サービスを組み合わせてエコシステムを構築しています。加えて研究開発や知的財産の保有に投資し、サービスの改良や競争力維持に努めています。

経営方針

同社は国内不動産取引のデジタル化を軸に、取引量とエージェントネットワークの拡大で収益性の改善を目指しています。2019年の新規株式公開で得た純収益約7,160万米ドルは研究開発、営業・マーケティング、運転資金に充てられており、2024年には通期で純利益を計上(RMB28.3百万)して黒字転換を果たしました。とはいえ過去の累積欠損はRMB4,618.6百万に上るため、同社は営業キャッシュフローの改善と財務基盤の安定化を重要な中期目標としています。

同社はマーケットプレイス運営と合わせて不動産仲介向けの業務支援サービス(クラウド型のSaaS)や売り手向けのデジタル集客を重点的に投資分野と位置づけています。差別化要素は広範なエージェントネットワークと、物件情報の真偽確認手続き、仲介業者が継続利用する業務ツールによる「囲い込み」にあります。実務面では営業・マーケティング人員83名、ソフトウェア・プロダクト開発人員41名(従業員総数134名の約30.6%)を配置し、237件の商標・25件の特許・72件のソフトウェア著作権といった知的財産で競争優位を固めています。

新市場や事業拡大では、2023年に立ち上げた資産運用サービスを2024年に非住宅プロジェクトへ拡大し、地方の財投系企業が保有する不動産を対象に価値向上や高水準の手数料獲得を図っています。全国的には15都市で営業拠点を展開しており、今後も地域拡大と併せて、M&Aや戦略的投資を通じた成長を検討する一方で、中国の事前届出や外資規制などの規制対応を重視し、資本政策では経営安定化のためにクラスC普通株の創設などで長期資金確保に努めています。

技術革新面では、同社は開発組織を「ソフトウェア」「ビッグデータ」「データサイエンス」「プロダクト/ユーザー体験」「信頼性/運用」の5グループで編成し、物件のマッチングアルゴリズムやデータ処理基盤の改良に投資しています。コアデータへのアクセス制限、アクセスログの記録・監視、厳格な認証・権限管理といった安全対策を実装し、サービスの可用性と信頼性を高める施策を実行しています。また、SEC開示に係る財務報告の弱点を是正するため、米国会計基準に精通した人材の採用や内部監査体制の強化も並行して進め、技術とガバナンス両面で事業基盤の強化を図っています。