DiaMedica Therapeutics Inc.DMAC

時価総額
$3.8億
PER
バイオ医薬品開発の新興企業。DM199(急性脳梗塞・肺塞栓候補薬)を展開。2024年6月の私募で4,720,000株発行、約1,180万米ドル調達、Catalentとの製造ライセンスで初回承認時のマイルストーン義務。米国・カナダ中心でNASDAQ上場、従業員28名。

事業内容

DiaMedica Therapeutics Inc.は主に血管や循環系の重篤な疾患を対象としたバイオ医薬品候補「DM199」を開発する臨床段階の製薬企業で、急性虚血性脳卒中や肺塞栓症などへの適応で臨床試験を進めています。同社はDM199を中心に規制承認と製品化を目指して研究開発を行っています。

現在は承認済み製品を持たないため、商業顧客からの直接的な売上は発生していません。同社の収益や資金調達は、研究助成や共同開発・ライセンス契約からのマイルストーン/ロイヤルティ、そして主に株式による資金調達に依存しています。将来的には製品承認後の医療機関や保険者からの販売収入やライセンス収入が主要な収益源となる見込みです。

事業構成は単一の主力製品候補DM199を軸に、前臨床・臨床開発、製造委託、パートナーシップ交渉といった活動に集中しています。製造は外部の受託企業とライセンス契約の下で行っており、初回の商業的承認時に残るマイルストーン支払い義務と、売上に対して1%未満の継続的なロイヤルティ義務があります。同社は開発進捗に応じて外部パートナーとの協業や権利許諾で商業化を目指しています。

経営方針

同社はDM199の臨床開発を最優先とし、急性虚血性脳卒中(AIS)と肺塞栓症(PE)での承認と商業化を目指しています。2024年12月31日時点で約4,410万米ドルの現金等を保有しており、同金額は同社の判断では少なくとも次の12か月間にわたりReMEDy2フェーズ2/3試験(AIS)とPE試験の継続に必要な資金を賄う見込みとされています。一方で同社は追加資金が不可欠であると認識しており、2023年6月の3,750万米ドル調達や2024年6月の1,180万米ドル調達実績を踏まえて、将来的にエクイティ、債務、連携による資金調達を行う方針です。

重点投資分野はDM199の臨床試験と製造体制の整備で、同社は臨床データの早期取得による市場での差別化を図ろうとしています。製造面ではCatalentとの技術ライセンスと委託生産契約を通じて遺伝子発現プラットフォームを利用しており、初回の製品化承認に伴うマイルストーン支払いが残る一方、販売ロイヤルティは純売上の1%未満に設定されています。知的財産の確保やデータ独占性の獲得も重視しており、特許管理や出願・防御に資金を投じる計画です。

同社は新市場や事業拡大に際しては単独での販売網整備よりも戦略的提携やライセンスアウトを重視する姿勢を示しています。既に経営陣の強化や社内人員の拡大(2023年末の18人から2024年末には28人へ)を進め、適切なパートナーと組むことで商業化や海外展開の加速を図る想定です。必要資金の調達タイミングは臨床進捗や規制対応の結果に依存すると明示しており、柔軟に資本政策を組み合わせて成長投資を行う方針です。

技術革新への取り組みとして、同社はCatalentの遺伝子発現技術のライセンス獲得と外部の製造受託先活用により、製造プロセスの確立とスケールアップを進めています。臨床試験は外部の治験支援機関や臨床サイトと連携して進行させ、またデータ保護や運用継続性のためにNISTフレームワークに基づくサイバーセキュリティ対策と外部専門家の導入を行っています。人材確保のための株式報酬枠も整備しており(報酬関連で合計約8.23百万株分の枠が設定されている)、研究開発と実用化の両輪で技術優位を築くことを目指しています。