DOLLAR TREE, INC.DLTR

時価総額
$258.7億
PER
ディスカウント小売の米国大手。約8,600品目を扱う小型店(売場8,000–10,000平方フィート)と自動補充33%の品揃えを展開。仕入れ約40%を直接輸入、主要仕入先は中国、取締役会承認の自社株買い枠$2.5Bと2024年の約328万株・$403.6Mの買戻し。米国・カナダで展開。

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企業概況
105文字)
業績概況
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2項目)
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ライバル企業
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同業種の日本企業
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事業内容

DOLLAR TREE, INC. は米国とカナダで低価格のバラエティ小売チェーンを展開し、主に店舗で食品・日用品・雑貨など幅広い商品を手頃な価格で販売しています。 同社は来店による発見の楽しさを重視し、店舗陳列や品ぞろえで顧客を引きつける一方、ウェブやアプリ、デジタル広告も活用して集客を図っています。

同社の主要な顧客は価格志向の一般消費者や家族層で、店舗売上が収益の中心です。 仕入れは輸入品と国内調達を組み合わせており、輸入は小売仕入価値の約40%を占め、中国が主要な供給国になっています。

事業面では商品を大きく「消耗品」「バラエティ商品」「季節商品」に分類しており、消耗品(家庭用紙製品、食品、ヘルスケア等)が基盤となっています。 各店は概ね8,000〜10,000平方フィートで約8,600品目を扱い、自動補充や店舗別配分、直接店舗配達の仕組みで在庫を管理して地域の需要に応えています。

経営方針

同社は既存店の活用と慎重な資本配分で持続的な成長を目指しています。具体的には今後も新規出店、既存店の増床・改装を継続するとともに、営業キャッシュフローは事業拡大や負債返済、株主還元(自己株式買い戻し)に優先して充てる方針です。取締役会が承認した自己株式買い戻し枠は最大25億ドルで、2022~2024会計年度に計1,171万株(費用で約15.5億ドル相当)を買い戻しており、2025年2月1日時点で約9.524億ドルの枠が残っています。加えて同社は2025年度に現金配当を支払う予定はないとしています。

差別化の中心は「品揃えの幅」と「価格感」とのバランスにあります。店舗あたり約8,000~10,000平方フィートで約8,600品目を扱い、約33%の商品は自動補充で管理されるなど店舗オペレーションを細かく最適化しています。仕入れ面では小売価値ベースで約40%を輸入で賄い、海外(主に中国)と国内メーカーとの直接取引でパッケージやサイズを調整することで、他店より高く売られている商品を低価格で提供する「お宝」的な魅力を作ろうとしています。また、Dollar Treeセグメントでは複数価格帯の品揃えを試験・拡大するなど、単一価格に依存しない品揃え戦略で差別化を図っています。

新市場開拓と事業ポートフォリオの見直しも重要な柱です。同社はFamily Dollar事業の売却を含む戦略的な見直しを進めており、その結果次第で店舗網や流通ネットワークの最適化が進む見込みです。海外ではカナダ向けの配送を外部に委託するなど柔軟な展開を行い、国内では新しい流通センターの建設や既存センターの拡張、トラック隊や輸送管理システムへの投資によって店舗供給力を拡充する計画です。これらの投資は開店ペースと供給能力を両立させるために不可欠と位置づけられています。

技術革新では情報基盤とサイバーセキュリティへの投資を最優先にしています。具体的にはNIST(米国標準技術研究所)の枠組みに沿ったサイバーリスク管理、年次の侵入テストや従業員向けのセキュリティ研修、情報セキュリティチームの強化、サードパーティーリスク管理の高度化を進めています。マーケティング面でも高度なデジタルターゲティング、アプリ・ウェブの顧客体験強化、インフルエンサーを活用したブランド発信を通じて店舗来店や購買転換率を高める取り組みを推進しています。