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DANAHER CORPDHR
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事業内容
DANAHER CORPは、研究・臨床・産業向けの科学技術製品を世界中で開発・製造・販売しています。同社は顕微鏡や質量分析装置などの計測機器に加え、試薬や抗体などの消耗品、ろ過や分離といった産業向けソリューションを主力製品としています。
顧客は大学や研究機関、製薬・バイオ企業、病院や臨床検査室に加え、半導体や食品・飲料、環境管理を行う産業企業まで多岐にわたります。同社の売上は機器の販売だけでなく、消耗品や試薬の継続購入、保守・校正やソフトウェアを含むサービス契約が安定した収益基盤になっています。
事業は大きくライフサイエンス、診断、環境・応用ソリューションのセグメントに分かれています。同社は各セグメントで機器と消耗品、ソフトやサポートを組み合わせた製品ラインを展開し、創薬や基礎研究、臨床検査、製造プロセスの品質管理など幅広い用途を支えています。
経営方針
同社は長期的な株主価値の向上を成長戦略の中心に据えています。2024年の連結売上高は前年並みで、コア売上は前年から1.5%減少しましたが、買収は売上に対して2.0%の寄与がありました。地理的には約58%の売上が米国外で発生しており、北米や診断(Diagnostics)分野での需要が増加した一方、バイオテクノロジーやライフサイエンスの一部でコア売上が落ち込んでいます。資本配分では四半期配当を継続(2024年の配当総額は約7.68億ドル、四半期あたり0.27ドル)するとともに、自社株買いプログラムを運用しており、2024年11−12月に3,485,086株を平均231.99ドルで取得、プログラムでは残り約16.5百万株の買付余地があります。さらに2025年第一四半期に年間少なくとも1.5億ドルの税引前コスト削減を目標とする生産性改善イニシアチブも開始しています。
同社は重点投資をライフサイエンス、診断、バイオテクノロジーなどの高付加価値分野に集中させ、製品品質とサービスネットワークで差別化を図っています。具体的には、質の高い抗体や試薬を提供するプロテイン消耗品や、質量分析装置や顕微鏡といった分析機器、ゲノム医薬品向けの合成DNA・RNAなどの製造能力を強化しています。2023年にはAbcamを約56億ドルで買収してプロテオミクス領域を強化し、2024年も既存のライフサイエンス事業を補完する買収に約5.58億ドルを投じ、のれん305百万ドル、無形資産419百万ドルを計上しました。差別化は製品の信頼性、使い勝手、アフターサービスといった顧客が重視する要素に重点を置いています。
新市場開拓と事業拡大では、高成長地域での製造・研究開発・顧客対応拠点のグローバル化を進め、地域別の需要に迅速に応える体制を整えています。同社は買収を成長の重要手段と位置づけており、適切な買収機会を見極めて統合によるシナジーを追求しますが、買収には規制当局の審査や高評価額といった実行リスクが伴うことも明示しています。また、途上国やアジア市場などでの販売チャネルやディストリビューター活用により、ローカル需要への対応を強化していく計画です。
技術革新への取り組みとして、同社は北米、欧州、アジアで継続的に研究開発投資を行い、製品の感度や生産性を高めることに注力しています。人工知能や自動化、デジタル化といった急速な技術変化に対応するため、社内の研究開発と外部の研究機関や臨床パートナーとの連携を強め、新製品や高マージン製品の投入を目指しています。加えて、持続可能性や人材育成(社内公募制度や現場学習を重視する育成プログラムなど)も技術・事業基盤の一部として位置づけ、イノベーションを事業成長に結びつけることを目指しています。