DIAMOND HILL INVESTMENT GROUP INCDHIL

時価総額
$3.3億
PER
投資運用・アドバイザリー業の有力企業。長期志向のアクティブ運用と機関向けのSMA・CIT、ファンド管理を展開。2021年7月にハイイールド関連アドバイザリー契約をブランダイワンに売却、初回9.0百万ドル受領。米国中心に展開。

事業内容

Diamond Hill Investment Group, Incは米国拠点の投資運用会社で、長期的な成果を重視したアクティブ運用サービスを提供しています。 同社は株式を中心とした運用戦略を軸に、投資信託や機関向けの個別管理口座、モデル提供やその他の共同運用商品を運用しています。

主要な顧客は年金基金や機関投資家、銀行、独立系助言会社、証券会社などの資産配分を行う投資家で、同社は調査力を生かして長期志向の顧客を引きつけています。 収益は主に運用資産残高に対する管理手数料や助言・ファンド管理手数料が中心であり、特に自社のダイヤモンドヒル・ファンドに対する助言・管理契約からの収入が会社全体の約66〜71%を占めてきました。

事業は運用(投資戦略の開発と実行)とファンド管理・事務(ポートフォリオ管理、コンプライアンス、財務・バックオフィス監督)に分かれています。 同社は顧客向けのコンテンツ主導型マーケティングやデータ分析を活用する配布体制を整え、専門チームが顧客ごとにカスタマイズした提案を行うことで長期的な資産残高の拡大を図っています。

経営方針

同社は長期的な投資成果と顧客体験を通じて持続的な成長を目指しています。2024年末の運用資産(AUM)は30,012百万ドル(約30.0億ドル)、AUAを含めた総額は31,925百万ドル(約31.9億ドル)に達し、同年は平均AUMが前年度比で約16%増加したことから収益が151.1百万ドルに拡大しました。営業利益率は29%、調整後の純営業利益率は32%となっており(営業利益率は市場変動や報酬関連費用で変動し得ることを同社も開示しています)、同社は優れた長期リターンを提供しつつ安定的に資産規模と収益を拡大することを基本戦略としています。

重点投資分野は米国大型株を中核とし、同時に固定金利商品や代替戦略にも注力しています。具体的には大型株のAUMが約17,702百万ドルで最も大きく、短期担保付き債券やコア債券といった固定収益戦略の合計は約6,224百万ドル、代替のロング・ショート戦略も約1,684百万ドルを運用しています。差別化の核は「アクティブでリサーチ主導の投資運用」と「顧客志向の製品設計」にあり、運用成果を優先するため戦略ごとに受け入れ容量(国内株式で45〜55億ドル、国際株式で20〜30億ドル、固定収益で50〜70億ドルの目安)を設け、必要に応じて新規流入を制限する「キャパシティ管理」でパフォーマンスを維持しています。

新市場開拓と事業拡大では、集合投資信託(CIT)やモデル提供プログラムの拡充に注力しています。CITは2023年から2024年にかけて1,359百万ドルから1,947百万ドルへと成長し、モデル提供によるAUAは1,913百万ドルに達しています。流通面では機関投資家やアセットアロケータを主ターゲットに、コンテンツ主導のマーケティングと営業支援を通じて顧客毎に最適な投資ビークルを提案する方針です。加えて、自社が戦略を種付けするために保有する出資(会社スポンサー投資)は約30.1百万ドル、成長投資やシーディング資金のために最大25百万ドルのコミット済み信用枠も保有しており、新商品開発や既存商品の拡張に財務的な余地を持たせています。

技術革新については、流通と営業効率の向上を目的にディストリビューション技術やビジネスインテリジェンス、外部データと高度な分析を積極的に導入しています。デジタル・エコシステムにより適切な投資情報を適切な顧客に届ける取り組みを進め、サイバーリスク管理も取締役会が四半期報告を受ける体制で監督しており、複数の取締役がサイバー監督の認証を有しています。なお同社は人工知能(AI)を含む技術導入の重要性を認識しており、業務プロセスや投資リサーチへの実装と安全管理の両面で段階的に対応を進めている旨を開示しています。