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DECKERS OUTDOOR CORPDECK
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事業内容
DECKERS OUTDOOR CORPORATIONは、靴や衣料、アクセサリーの設計・マーケティング・販売を手がけるグローバル企業です。同社はUGGやHOKAといったブランドを中核に、直営店や自社EC、卸売を通じて商品を展開しています。
主要な顧客は百貨店や専門店などの卸売先と、同社自身の直販チャネル(実店舗とオンライン)で、売上はこの両者で成り立っています。同社は受注に応じた生産と在庫管理を重視しており、上位顧客の売上割合が相対的に高い点が収益と流動性に影響します。
事業は報告セグメントをUGGブランド、HOKAブランド、その他のブランドの三つに分け、それぞれで消費者ニーズに合わせた商品企画と開発を行っています。製造は外部委託が中心で長いリードタイムを前提に在庫管理を行い、直営の物流拠点や国際的な販売代理店・パートナー店舗を通じて世界各地へ供給しています。
経営方針
同社は中期的にグローバルでのブランド浸透と直販(DTC)チャネルの拡大を成長の中心に据えています。具体的にはUGG、HOKA、その他ブランドの三つの事業区分に資源を集中し、消費者認知と「熱量(heat)」を高めるための製品投入とマーケティング投資を強化しています。公開文書では明確な売上目標の数値は示されていませんが、主要顧客上位10社で売上の約23.7%を占めるなど販売チャネルの重要性を踏まえ、ブランド採用率の向上とグローバル・マーケットプレイスの拡大を通じてフルプライスでの販売比率向上を目指しています。
同社は差別化のために製品開発と流通基盤への重点投資を行っています。デザインや試験を重ねた独自素材や金型の管理、SKU(個別商品)ごとの生産効率向上、商品投入タイミングの厳格化といった施策で競合との差別化を図っています。また在庫管理ではプレシーズン発注(最長12か月前)を促進し、SKU生産性の改善やリードタイム短縮、余剰在庫の流通チャネルでの処分を進めることで在庫回転率と粗利改善を狙っています。原材料・商品調達の固定契約なども抱えており、例えば一部コモディティ契約の将来支払見込みは231,323(単位:千ドル)と開示されています。
同社は新市場開拓と事業ポートフォリオの最適化にも積極的です。国際市場では自社運営店とパートナーストア両面でUGGやHOKAの旗艦店を展開し、地域ごとに第三者流通から直販へ、またはその逆へとモデルを切り替えて最適化を図る方針です。最近はSanukの売却とKoolaburraの段階的廃止(2025年末目途)を実行するなど、より有望な有機成長分野へ集中投資する動きが見られます。物流面では米国の配送拠点(モレノバレー、ムーアズビル)や3PLを活用した国際倉庫網、DCバイパスや倉庫管理システムへの投資でDTCの受注・出荷体制の強化を進めています。
同社は技術革新を事業運営の重要な柱と位置づけ、ITとセキュリティ、データ活用の整備に取り組んでいます。専任のチーム(Chief Digital & Data OfficerやCISO)を中心にインシデント対応計画、外部監査、脆弱性検査や従業員向けの訓練・フィッシング演習を定期的に実施しており、業界基準に基づくベンダー管理も行っています。さらにクラウド利用や倉庫管理システム、eコマース基盤の強化により商品計画・需要予測の精度を高め、人工知能などの先端技術の活用も視野に入れて運営効率と顧客体験の向上を目指しています。