- 米国企業
- DEERE & CO
DEERE & CODE
ランドスケープPowered by 会社四季報オンライン
- 企業概況
- (103文字)
- 業績概況
- テーマ
- (1項目)
- ブランド
- (1項目)
- ライバル企業
- (5社)
- 同業種の日本企業
- (2社)
事業内容
DEERE & COは農業、林業、建設向けの重機とそれに関連するソリューションを設計・製造・販売する企業です。同社はトラクターや収穫機、掘削機や舗装機、芝生管理機器といったハードウェアに加え、それらを支える接続サービスやアフターサービスも提供しています。
主要顧客は大規模農家から中小の農業経営者、建設会社や林業事業者、自治体、ゴルフ場や造園事業者など多岐にわたります。同社の収益は新車販売が柱で、部品や整備、ソフトウェアやデータサービスの継続収入、そしてリースやローンを扱う自社の金融部門からの利息収入で構成されています。
事業は大別して大規模生産向け製品、小型農業・芝生向け製品、建設・林業向け製品、金融サービスの四つのセグメントで展開しています。同社は精密農業や自動化、電動化などに投資し、機器の稼働効率向上や稼働管理を支えるソフトと連携したライフサイクル支援に力を入れています。
経営方針
同社は「Smart Industrial Operating Model」と「Leap Ambitions」を中核に、顧客の生産システム全体を最適化することで持続的な成長を目指しています。短期的には市場見通しに合わせた柔軟な対応を重視しており、2025年は農業・ターフおよび建設機械の販売が低下すると見込んでいるため、キャッシュ配分では配当の維持に加え自己株式買い戻しを積極化しています。具体的には2022年12月に発表した最大180億ドルの買い戻し計画があり、2024年度末時点で約89億ドル分が残っていることから、資本還元を通じた株主価値向上を狙っています。
同社は生産システム、技術基盤、ライフサイクル支援の三つの投資分野に重点を置くことで差別化を図っています。製品だけでなく、組み込みソフトや通信、データプラットフォームといった「技術の積み上げ」に投資し、サービスとしてのソリューション提供へ移行を進めています。研究開発や買収でも具体的な投資を行っており、例えば電池技術を強化するKreiselへの出資(約2.76億ドルの現金買収)や、AI・ソフトウエア系のSparkAI/Smart Applyの買収(合計約8200万ドル)、農業向けシステム企業群の取得(合計約1.34億ドル)などで技術と差別化要素を確保しています。
同社は新市場開拓と事業拡大において、建設・路面機械や林業分野の強化、レンタル市場への参入拡大、グローバル販売網の最適化を進めています。例としてWirtgenグループの路面機械群や、自社によるショベル工場の完全取得により製品設計と供給管理を直轄化し(関連投資や総投資額に関する公表数値あり)、これによって製品の統合や現地対応速度を高める戦略を採っています。また、金融部門(John Deere Financial)を通じた販売金融や、ソリューションを月額で利用させる「サービス型」収益モデルの拡大により、新規顧客層や需要変動への耐性を高めることを目指しています。
同社は技術革新を成長の原動力と位置づけ、電動化、自動化、精密農業の実用化で市場優位を築くことを目指しています。製品側ではハイブリッドやバッテリー駆動機の投入を進め、ソフト面では自律走行や機械学習を組み合わせた生産性向上ツールを展開しています。知的財産の保護にも注力しており、2024年には特許侵害に関する和解で総額5700万ドルの特益を計上するなど技術の権利化と防御を通じた競争力維持にも取り組んでいます。