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DILLARD'S, INC.DDS
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事業内容
DILLARD'S, INC.は米国で百貨店チェーンを展開し、衣料品や靴、化粧品、住まい向け家具など幅広い商品を販売しています。同社は実店舗を基盤に据えつつECも運営し、オンライン注文はフルフィルメントセンターと店舗の両方から出荷し、オンラインで注文して店頭で受け取る仕組みを導入しています。
主要な顧客は一般消費者で、売上の中心は店舗販売とオンライン販売です。加えてプライベートブランドのクレジットカード提携からの手数料収入や、店舗賃料、配送料、ギフトカードの残高消滅(ブレイクエイジ)なども収益源となっており、Wells Fargoとの旧提携は2024年9月に終了して同社はCitibankとの新たな長期提携に移行しました。
同社は事業を複数の製品ラインで構成しており、メンズ衣料・アクセサリー、レディース衣料、婦人小物とランジェリー、ジュニア・子供服、住まい・家具、化粧品、靴などが主力です。店舗によっては美容サロンを併設し、サロン人件費は販売原価に含める形で管理しており、物流や店舗賃借コストが業績に影響しやすく、年末の第4四半期に売上が集中する季節変動も事業運営の重要な要素です。
経営方針
同社は安定的な成長と株主還元の両立を目指しています。営業活動によるキャッシュフローは2024会計年度で約7.14億ドルと強固で、事業投資は物件・設備と資本化されたソフトウエアに約1.05億ドルを充てています。同時に配当と自社株買いを重視しており、2024年度の配当支払額は約4.14億ドル、取締役会が承認した自己株式買い取り枠は最大5億ドルで、2025年2月時点で約2.73億ドルの残高がありました。株主還元と財務の健全性を両輪とすることで、収益性を維持しつつ慎重に成長機会を追求しています。
同社は競争優位を生む重点投資分野として、オムニチャネルの顧客接点とクレジット事業を挙げています。オンライン注文はフルフィルメントセンターと店舗の双方から発送され、オンライン購入の店頭受け取りや店舗での返品を可能にすることで利便性を高めています。クレジットカード事業では2024年9月に旧ウェルズ・ファーゴとの提携を終了し、シティバンクとの長期のマーケティング・サービス提携に移行しており、これによりプライベートブランドカードからの手数料収入と顧客囲い込みを強化しています。商品面では、売場の品揃えと接客力で大手や専門店との差別化を図っています。
同社は新規出店よりも実店舗網の最適化と機動的な事業拡大を目指しています。直近では不採算店舗の閉鎖を行っており(例:フロリダ州マリーエスターのSanta Rosa Mallなど)、必要に応じて他の百貨店運営者からの物件取得も検討する方針です。資金面では8億ドルのリボルビングクレジット枠を維持し、2025年に金利条件を見直すなど資本の柔軟性を確保しているため、景況に応じて出店・改装・在庫投資の増減を迅速に行える体制を整えています。
同社は技術革新とサイバーセキュリティ強化に注力しています。オンライン購買体験の向上と効率的な配送のためにシステム投資を行い、2024年にはオンライン体験担当の幹部が情報技術担当も兼務するなど組織面での強化も行いました。情報セキュリティでは年次のリスク評価、外部専門会社による脆弱性検査や侵入テスト、業界基準(PCI DSS)への準拠確認、従業員に対する入社時および年次のセキュリティ研修、災害復旧計画の定期テストなど具体的施策を実施しており、顧客データとオンラインチャネルの信頼性向上を目指しています。