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Digital Brand Media & Marketing Group, Inc.DBMM
事業内容
Digital Brand Media & Marketing Group, Inc.は、英国拠点の子会社が展開する「Digital Clarity」ブランドを中核に、AIを活用したデジタルマーケティングのコンサルティングと経営アドバイザリーを行っている企業です。同社は戦略立案から実行、効果測定までを一貫して請け負い、成長加速を目的としたマーケティング変革を支援していることを掲げています。
主要顧客はSaaSやブロックチェーン、フィンテックなどのB2Bテクノロジー企業に集中しており、企業向けの成長支援が中心です。同社は顧問契約や継続的な業務(リカーリング)と、AIを活用した個別プロジェクトの両方で収益を得ており、コンサルティング業務は高い粗利(同社提示では約35〜50%)を見込める収益構造になっています。
事業の中身は、課題診断ワークショップによる現状把握、デジタル戦略の設計、実行支援、成果の測定と最適化という流れが柱です。加えてAIを使ったコンテンツ最適化や監査、トレーニング、外部パートナーとの連携による拡張サービスを展開し、従来の単発の検索広告やSEOといった枯れた業務から、より高付加価値のマネジメント型コンサルにシフトしています。
経営方針
同社は2022年12月に通常取引へ復帰し、2023年中にSEC案件が解決したのち、2023年Q4から成長基盤の再構築を開始しています。目標は複数地域でスケールした事業展開に移行することで、特に米国市場の収益比率を高めることを重視しています。営業マージンは現状で概ね35〜50%を見込んでおり、投資家向けには2025年をめどにグローバルな投資家向け広報キャンペーンを実施して認知度を上げる計画です。市場環境としては米国のデジタル広告支出が約$110.1 billionで全体の約51%を占める等、デジタル領域の追い風がある点を前提にしています。
同社は重点的に人工知能(AI)を活用したサービスと経営コンサル型のデジタルマーケティングへ投資を集中しています。従来のペイパークリックや検索最適化のコモディティ事業は切り離し、顧客ごとに深く入り込む診断ワークショップや長期の運用契約で安定した反復収益を確保する方針です。差別化は「ROIを重視する」という商業成果志向にあり、具体的にはDCの「Diagnosis Workshop」によるコスト分析やチャネル監査、AIを使ったコンテンツ最適化やパーソナライズで実行性の高い施策を提供しています。2024年以降は成長資本を顧客構成の再調整と新規事業開発に振り向けています。
同社は新市場開拓として米国を最重要視しており、カリフォルニアを起点に主要都市へ展開を拡大する計画です。具体的施策としては、OTC Markets主催のAI投資家会議でのプレゼン(2024年10月)や複数の米国ポッドキャスト出演でのブランド露出、外部パートナーを活用した投資家向けの統合的な広報配信を行っています。資金面では転換社債の発行停止(2015年以降)や経過債務の個別交渉でバランスシートを改善しており、これらの取り組みで成長資金と投資家信頼の回復を図っています。
同社は技術革新を戦略の中核に据え、AIを使った製品化とコンサルティングの両輪で競争力を高めようとしています。具体的にはAIによる顧客対応の自動化、コンテンツ監査・効果測定の自動化、LinkedInなどのデジタルチャネルを活用した見込み客発見の精度向上といった技術投資を進めています。Gartnerなどの業界予測では2025年にB2Bの商談の大半がデジタルチャネルで行われるとされており、同社はその前提でAIプロジェクトを高収益プロダクトへ転換し、将来的には業界賞や市場でのリーダー回復を目指しています。