- 米国企業
- DoorDash, Inc.
DoorDash, Inc.DASH
ランドスケープPowered by 会社四季報オンライン
- 企業概況
- (112文字)
- 業績概況
- テーマ
- (1項目)
- ブランド
- (2項目)
- ライバル企業
- (4社)
- 同業種の日本企業
- (2社)
事業内容
DoorDash, Inc.は地域の飲食店や小売店と消費者をつなぐオンデマンド配送とオンライン注文のプラットフォームを運営しています。同社の主力サービスはDoorDashとWoltのマーケットプレイスで、スマホアプリやウェブを通じて消費者が注文し、独立した配達パートナー(Dashers)が配達を行っています。
主要な顧客は消費者、店舗(レストランや小売店)、そして配達を行う独立した配達員で、同社はこれら三者の利便性を高めることで収益を上げています。収益は店舗からの手数料や消費者が支払う配達料・サービス料に加え、店舗向け広告や有料会員制度(DashPass・Wolt+)、そして店舗向けの配達代行など多様な柱から成り立っています。
事業は大きくマーケットプレイスとコマースプラットフォームの二本柱で構成されます。マーケットプレイスは注文の仲介と配達を担い、コマースプラットフォームは店舗のオンライン注文、ブランドアプリ構築、決済や顧客対応、そして自社名を前面に出さない配達代行サービス(Drive)など店舗支援の機能を提供しています。
経営方針
同社はローカル経済の成長と活性化を目指しています。具体的には、消費者と商店・配達者を結ぶ「Marketplace」と、商店向けの業務支援や配送代行を提供する「Commerce Platform(Driveなど)」を成長の柱に据え、利用者基盤の拡大を図っています。2024年12月時点でMarketplacesは30か国超で展開し、月間アクティブユーザーは約4,200万人、会員サービス(DashPassとWolt+)の会員数は合計で約2,200万人に達しており、同社はこれらの規模をさらに伸ばすことで取引量と手数料収入の拡大を目指しています。財務面では現金・現金同等物と有価証券で約62億ドルを保有しており、株主還元と成長投資の両立を図るために株式買い戻し枠の拡大(2025年2月に最大50億ドルを承認、うち2024年末までに約2.24億ドルを実行)など資本配分も進めています。
同社が重点的に投資している分野は、商店のオンライン化支援、配送インフラ、決済・広告の強化、そして会員サービスの拡充です。商店向けには集客や受注処理、決済代行、広告配信といったワンストップの支援を提供し、配送面では自社ブランドでの配送代行サービス(Drive)がコマース領域の主要収益源となっている点で差別化しています。さらに、2022年のWolt買収(取得対価約28.38億ドル、のれん約19.97億ドル)により国際展開とプロダクト開発の体制を強化しており、これらの投資によって競合他社に対して「商店の業務を丸ごと支える」点をアドバンテージにしています。
新市場開拓や事業拡大については、既存の飲食配送だけでなく、食料品やコンビニ商品のデリバリー、商店の自社チャネル支援などへ垂直拡大を進めています。Marketplacesの地理的拡大は継続方針で、30か国超のネットワークを起点に地域別の最適化を進める計画です。加えて、成長機会を早期に取り込むために戦略的投資や買収を行う方針を示しており、買収後の統合で得られるシナジー(利用者や技術の統合、商店向け機能の拡張)を重視しています。一方で規制対応やローカル競合への対抗、配達品質の維持といった実行リスクにも留意しつつ、手元資金と与信枠を活用して拡大を進めています。
技術革新への取り組みとしては、プラットフォームの基盤強化とサービス機能の高度化に多額を投じています。具体的にはクラウド基盤(主に外部のデータセンター)上で注文の最適な割り当てや配送ルートの算出、決済処理や広告配信の精度向上を進め、商店が自社チャネルでも使える管理ツールや専用配送の運用を改善しています。これにより、消費者の利便性向上と商店の収益拡大を同時に狙う設計になっており、プロダクト開発の加速やデータ活用で差別化を図ることが同社の技術戦略の中核です。