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Cycurion, Inc.CYCU
事業内容
Cycurion, Inc.はサイバーセキュリティと継続的なIT運用支援を柱とするサービス会社です。同社はコンサルティングやアドバイザリー、マネージドIT、マネージドセキュリティなどを組み合わせて顧客の防御力向上を支援しています。
同社の主要顧客は政府機関や大手企業、中堅・中小企業、医療機関や教育機関など多岐にわたり、AT&Tやスミソニアン、FEMA、Peratonといった顧客も含まれます。収益は契約ベースのサービス収入と継続的なマネージド契約が中心で、上位10社で売上の大半を占める集中度が高く、約1,600万ドルの受注残高(バックログ)を抱えています。
事業は大きく三つに分かれ、まずコンサルティングとアドバイザリーでは脆弱性診断、セキュリティ設計、リスク・コンプライアンス監査、教育や仮想CISO支援を提供しています。次にマネージドITサービスでは日常の監視・運用、ネットワークやサーバー管理、アプリ開発やヘルプデスク、災害復旧を含む運用代行を担当します。最後にマネージドセキュリティでは24時間体制の監視、脅威検知、インシデント対応を行うセキュリティ運用センターのサービスを提供し、買収と有機的成長でサービス領域を拡大しています。
経営方針
同社はクラウドや人工知能(AI)、IT分野での市場リーダーシップ拡大を成長戦略の中心に据えています。オーガニックな受注拡大に加え、買収によるプラットフォーム拡大を並行して進め、受注残(バックログ)は2024年12月時点で約1,600万ドルと開示しており、原則として翌12か月以内に請求を見込んでいます。資本面では、投資家からの公募や取引先との大型契約(例:複数年で2,200万ドル規模の案件獲得)や、最大6,000万ドル分の株式購入権を通じた資金調達のオプションを確保しており、時価総額や上場維持の目標(市場価値基準での50百万ドル/15百万ドルといったナスダック基準の回復)を達成することも重要な数値目標になっています。
重点投資分野はマネージド型のセキュリティとIT運用サービス、ならびにそれらを支える自社プラットフォームの強化です。同社はサイバーセキュリティのプラットフォームを中核に、外部からの攻撃を防ぐウェブ向け防御やボット対策、セキュリティ監視用のダッシュボードを統合して提供し、24時間体制の運用監視(SOC)とセットで差別化を図っています。顧客の上位10社が売上の約93%を占めるなど大口顧客依存の側面もあるため、既存顧客へのプラットフォーム拡張やサービス適用範囲の拡大で収益の安定化を図ることも明確な投資方針です。
新市場開拓と事業拡大では、国内外でのパートナー連携と買収の併用を掲げています。既存のパートナー拡大(例:CentralSquareやJournal Technologiesとの提携強化)を通じて公共・民間の大型案件へ参入し、買収により技術や人材を取り込むことで短期的な受注力を高める方針です。実績として顧客数は約41社、従業員数は46名とコンパクトな組織ながら、プラットフォームと提携網をレバレッジして事業領域を広げる計画であり、買収候補や戦略的アライアンスを積極的に探索しています。
技術革新への取り組みとしては、旧Sabresの資産を統合した「Cycurion Security Platform」を軸に、クラウド上で脅威を学習する仕組みを導入しています。多層的な防御や攻撃検知の知見をクラウド経由で共有することで、顧客ごとの運用負荷を下げつつ防御力を向上させる狙いです。なお、社内では会計・内部統制の強化(SOX対応)やSaaS機能の追加開発に伴う人員・コスト投資も進めており、開発中のモジュールは2024年末時点で外販準備段階にあると説明しています。