Consolidated Water Co. Ltd.CWCO

時価総額
$5.8億
PER
海水淡水化や水処理、機器製造、コンサルを手掛ける総合水ソリューションの最大手。逆浸透膜による飲用水生産やプラント設計・建設・運営を展開。2023年の米国事業買収、2024年のサービス収益38%などの収益構成。ケイマン諸島、バハマ、米国、英領バージン諸島での事業展開。

事業内容

Consolidated Water Co. Ltd.は海水を淡水化して飲料水を生産・供給することを中心に、水処理設備の設計・建設・運転管理や関連製品の製造、コンサルティングを行う総合的な水事業会社です。 同社は海水淡水化や水処理・再利用といったインフラを一貫して手掛け、地域の水需要に応えるサービスを提供しています。

同社の顧客は住宅や商業施設、政府機関といった最終需要者(小売)に加え、各国の公営配水事業者などのバルク(卸)顧客、自治体や産業向けの設備発注者が中心です。 収益構成は2024年でサービス事業が約38%、バルクが約25%、小売が約24%、製造が約13%と、設計・建設・運転などのサービスが大きな割合を占めています。

事業は小売、バルク、サービス、製造の主要セグメントで構成され、関連会社を通じた地域供給も行っています。 同社はケイマン諸島、バハマ、米国、英領ヴァージン諸島で事業を展開し、生産用プラントは合計10か所で計約26.2百万ガロン/日、米国の水処理プラントは29か所(推定58.0百万ガロン/日)を保有・運営し、子会社はコロラド州で64か所の下水・水処理プラントの運転・保守も手掛けています。

経営方針

同社は「総合的な水事業プロバイダー」としての成長を志向しており、事業ポートフォリオの多角化で収益基盤を強化することを目指しています。2024年の連結売上構成は、サービス事業が約38%、小売が約24%、バルク(卸)水が約25%、製造が約13%であり、特に設計・建設・運用を含むサービス収入の比率拡大を重視しています。市場での存在感はNASDAQ上場(銘柄:CWCO)や、2024年6月30日時点の非関連株主の時価総額約3.96億ドル、2025年3月10日時点の発行済株式数15,874,796株といった公開市場での評価にも支えられています。

重点投資分野としては、海水淡水化の生産能力拡充、サービス事業の受託拡大、ならびに自社製品・機器の製造ライン強化を掲げています。同社はケイマン諸島で独占的な小売ライセンスを保有するほか、合計10か所で日量26.2百万ガロンの生産能力を運用し(ケイマン6か所で10.6MGD、バハマ2か所で14.8MGD、BVI2か所で0.8MGD)、米国では水処理設備29か所・処理能力約58MGDを保有しています。これらの既存資産に加え、買収やジョイントベンチャーを通じて製品・サービスを補完・拡充する戦略を取っており、たとえばPERCやRamey、Aquilexなどの買収・統合で技術と顧客基盤を広げています。

新市場開拓では、引き続きカリブ海と米国を主要ターゲットに据えつつ、実需のある他地域への展開も模索しています。具体的な案件例としては、ハワイ・オアフ島のKalaeloa海水淡水化施設の「設計・建設・運用・維持」契約や、メキシコでの土地取得・プロジェクト開発(N.S.C. Agua関連)の進行などがあり、これらのプロジェクトは地域別の供給契約や公民連携(P3)を通じて収益化を目指しています。加えて、下請けではなく運営受託による長期収入獲得を重視しており、REC子会社がコロラド州で64の下水・水処理施設の運用を行うなど運用基盤の拡大に注力しています。なお、一部の拡張工事は2025年6月の完了を予定している案件もあります。

技術革新への取り組みでは、海水を淡水化する逆浸透(RO)を中核技術として、自社製造の専用装置やカスタムシステムの開発・改良に投資しています。加えて、経営管理・規模拡大に伴う情報システムとサイバーセキュリティの強化を進めており、財務システム向けにデータベース監視ソフトや特権アクセス管理(PAM)を導入、重要データの変更レビュー頻度を増やすなどの対策を既に実施しています。同社はこれらの内部統制の是正を2025年に完了する見込みと表明しており、技術面と統制面の両方で信頼性を高めることが投資判断上の差別化要因になると考えています。