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CURTISS WRIGHT CORPCW
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事業内容
Curtiss-Wright Corporationは、航空宇宙や防衛を中心に、要求の厳しい商用産業向けまで幅広く高機能な機器やシステム、保守サービスを設計・製造・販売しています。主にミッションクリティカルな電子機器や制御装置、海軍向けの推進・流体機器、産業用バルブや表面処理といった製品が主力です。
同社の顧客は米国政府や防衛大手を中心に、民間の航空機メーカーや電力・プロセス産業の企業が含まれます。売上は防衛・政府関連の比重が大きく安定した収益基盤を持つ一方、商用航空や産業分野からの収入も重要な柱になっています。
事業区分は大きく航空・産業、防衛電子、海軍・電力の三つに分かれ、各分野で専門製品を展開しています。航空・産業部門は感知装置や駆動・制御系、表面処理サービスを扱い、防衛電子部門は組み込み型の演算装置や通信・計測機器を供給して艦船や航空機に組み込まれます。海軍・電力部門では原子力艦艇向けのポンプやバルブ、発電所やプロセス施設向けの監視・保護機器を提供しています。
経営方針
同社は「Pivot to Growth」と呼ぶ成長戦略を掲げ、売上高・営業利益・フリーキャッシュフローの継続的な拡大を目指しています。2024年の連結売上高は約31.2億ドル、受注残(バックログ)は約34億ドルで、その約90%を今後36か月内に売上として計上する見込みです。資本配分では買収と株主還元を重視しており、2024年は約2.5億ドル相当(約76.6万株)の自社株買いを実施、同年の配当支払いは約3,200万ドルでした。これらは短中期の成長と同時に株主価値の向上を図る具体的施策です。
同社が重点投資する分野は、電子化・電動化(electronification/electrification)、ヒューマンマシンインターフェース(HMI)、電力管理・パワーエレクトロニクス、表面処理サービスなどです。特に商用車や特殊車両向けの電子スロットルやシフト制御、トラクションインバータといった製品群で差別化を図っており、製品を単体提供するだけでなく「キャビン内の操作系を一式で提供する」統合的なソリューション化を進めています。防衛分野ではオープン標準に準拠した設計やライフサイクルサービスを強みにしており、過去10年間で400以上のプラットフォーム、3,000以上のプログラムに関与してきた実績を武器に顧客との長期契約を確保しています。
新市場開拓や事業拡大の計画としては、原子力(特に小型モジュール炉=SMR)や海底ポンプなどの隣接領域への展開を明確にしています。2024年にはシミュレーション技術を持つWSCを約3,400万ドルで、原子炉保護系や放射線監視を手掛けるUltra Energyを約1.92億ドルで買収するなど、戦略的M&Aで技術と市場参入を加速させています。財務面では手元現金約3.85億ドル、利用可能なコミットメント約7.29億ドルを確保し、さらに借入余力も残しているため、成長投資や追加の買収資金を柔軟に用意できる体制です。設備投資については2025年に約7,500万〜8,500万ドルを見込んでいます。
技術革新への取り組みは研究開発と製品投入の両面で進められており、HMI製品のポートフォリオ拡充やインテリジェントアクチュエータなど、データ活用や自動化に資する技術開発に注力しています。表面処理ではショットうちやレーザーピーニング、特殊コーティングといった耐久性向上サービスをグローバルネットワークで提供し、過酷環境での信頼性確保に貢献しています。加えて、買収によって得たシミュレーションや原子力用センサー技術を既存製品群に組み合わせることで、差別化されたシステム提案と迅速な市場投入を狙っています。