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事業内容
CVS HEALTH Corpは、薬局小売と処方薬管理、医療サービスを一体的に展開する大手ヘルスケア企業です。同社はPBM(処方薬管理)を通じて保険者向けに薬剤の調達・管理やプラン設計を行う一方で、全国の店舗で処方調剤やワクチン、診断検査を行い、クリニックや遠隔・在宅医療の提供も進めています。近年はSignify HealthやOak Street Healthの買収などで医療提供能力を強化しています。
同社の主要顧客は企業や保険会社、労働組合、政府系団体、メディケア/メディケイドを運営する組織、そして個々の患者です。収益は主にPBMによる処方薬の販売・管理と、メディケア向けなどの定額支払いを含む価値ベースの一次医療契約、さらに小売薬局での処方・ヘルスケア商品販売から得ています。
事業は大きくHealth Services、Pharmacy & Consumer Wellness、Corporate/Otherの三つに分かれます。Health ServicesはPBM(プラン設計、フォーミュラリ管理、ネットワーク運営、スペシャルティ/メールオーダー薬局)や臨床サービス、疾病管理、グループ購買などを手掛け、一次医療クリニックや在宅・遠隔診療を運営しています。Pharmacy & Consumer Wellnessは全国の小売薬局での処方調剤、注入・長期介護向け薬局、予防接種・検査、オンライン販売や専門薬局を含む消費者向けサービスを担い、Corporate/Otherは経営管理や既存の保険商品などを扱っています。
経営方針
同社は事業の持続的な成長と収益性改善を両立させることを目指しています。具体的には、2025年に向けて企業横断の構造改革を完了させ、2025年のコスト削減効果を500百万ドル超と見込んでいます。財務面では2024年に長期債の発行で負債が増加したため利息費用が前年より3億ドル(11.3%)増えましたが、一方で同年12月に26億ドルのシニアノートを償還し、債務早期消滅による利益として4億91百万ドルを計上するなど、資本構成の最適化も進めています。
重点投資分野は処方薬の給付管理、価値ベースの医療提供、そして小売と医療サービスの統合です。処方薬管理(PBM)や専門薬の充実に注力しており、PBM事業は2024年に約19億処方(30日換算)を取り扱いました。小売・薬局網は9,000店超を運営しており、ここへ医療クリニックや在宅・バーチャル診療を組み合わせることで競合と差別化を図っています。加えてバイオシミラー事業の子会社Cordavisを立ち上げるなど、医薬品の調達・供給面でもコスト優位を追求しています。
新市場開拓と事業拡大では、既存の買収を活かした価値基盤型の地域医療とプライマリケアの拡大を進めています。2023~2024年にかけてSignify HealthやOak Street Healthを取得し、25以上の保険者と価値連携を構築するなど、メディケア(高齢者向け)やメディケイド(公的扶助)分野でのプレゼンスを強めています。個人向け保険や保険交換市場では会員数の変動リスクがあるため、同社は保険料設定や州別の率改定を通じて収益の安定化を図る計画です。
技術革新への取り組みでは、データと人工知能を活用して臨床判断や業務効率を高めることを目指しています。独自プラットフォーム「Canopy」を中心に、保険請求データや処方データ、病院記録を統合して予測モデルや治療ガイドラインを作動させ、入院回避やコスト低減を図っています。消費者向けにはMinuteClinicのオンライン予約や通知、診療記録のデジタル提供を強化し、専門薬のワークフローには支援型AIを取り入れて処方から患者管理までの自動化を進めています。