COUSINS PROPERTIES INCCUZ

時価総額
$41.6億
PER
オフィス不動産の大手。主要都市で21,113,000平方フィートの賃貸ポートフォリオを保有。2024年11月〜12月に株式発行で約4.68億ドルの資金調達。アトランタ、オースティン、タンパ、シャーロット、フェニックス、ダラスで展開。

事業内容

COUSINS PROPERTIES INCは、米国の上場不動産投資信託(REIT)で、主にオフィスビルの開発・取得・保有・運営を行っています。 同社は南部や西部の主要都市にある大型商業用不動産を中心に展開し、テナントへの賃貸を通じて収益を上げています。

主要な顧客は大手の技術系企業や金融機関、専門職サービスなどの法人で、長期の賃貸契約を基盤に安定した賃料収入を確保しています。 収益構造は賃料収入が中心で、開発や再開発による売却益や一部の不動産関連投資収益も含まれます。

事業は保有オフィスの賃貸運営、開発・再開発、共同出資による保有、そして不動産債務への投資といった柱で構成しています。 同社は資本調達や物件の入れ替えを通じてポートフォリオの質を高め、長期的な価値向上を目指しています。

経営方針

同社は、米国のサンベルト(アトランタ、オースティン、タンパ、シャーロット、フェニックス、ダラス、ナッシュビル)を中心に「プレミアムなオフィスポートフォリオ」を構築することで株主価値を高める成長を目指しています。成長方針は慎重な資本配分に基づき、機会ある取得、選択的な開発、非中核資産の適時処分を通じて、より新しく運用効率の高い物件群を維持して総保有コストを抑えることです。2024年にはVantage South Endを3.285億ドル、Sail Towerを5.218億ドルで取得し、Midtown AtlantaのProsceniumに対しては20%出資で1,670万ドルを投じるなど、資本を明確な成長案件に振り向けています。

同社は重点投資分野として「サンベルトのライフスタイル型オフィス」や効率性の高い新築・再開発に注力し、これによって差別化を図ろうとしています。オフィス総賃貸面積は約2,064万平方フィートで、期末の稼働率は約91.6%と高水準を維持しており、テクノロジー企業への貸付が収入の約31.2%を占めるなど需要のある顧客層を抱えています。地域ごとの運営基盤を活用し、地元市場に精通したチームで賃料設定や再テナント化を進める点が同社の競争優位です。

新市場開拓や事業拡大は、取得、合弁、資本調達を組み合わせた実務的な手法で進められています。2024年に発行した普通株9,500,000株(実質手取り約2.824億ドル)や6,000,000株(実質手取り約1.853億ドル)の資金は、主要取得の資金源として活用されました。また、最大5億ドルまでの随時売却枠(ATMプログラム)を確保しており、さらにテナント改善や追加投資のためにリース関連で合計1.118億ドルの将来支出義務、並びに不動産債務投資に7.8百万ドルのコミットメントを抱えています。こうした資本政策により、低レバレッジで柔軟なバランスシートを維持しつつ成長機会に迅速に対応することを目指しています。

同社は技術面では主にサイバー防御と建物運用の効率化に投資しています。最高情報責任者(CIO)が統括し、建物側のネットワークと社内ネットワークを分離した上で第三者助言による脆弱性診断、継続的な監視、年次の訓練と演習を実施しており、重大インシデント時には外部専門家を迅速に動員する体制を整えています。加えて、温室効果ガス削減や運用効率改善といった企業責任(環境・社会)の課題にも取り組んでおり、これらは必要に応じて設備投資を伴うものの、資産価値とテナントの長期的な競争力を高める施策と位置付けています。