CubeSmartCUBE

時価総額
$81.2億
PER
自己運営型セルフストレージの大手。気候管理ユニットや24時間アクセス、第三者管理サービスを展開。2024年12月のハインズポートフォリオ14店を157,250千ドルで買収。米国25州とワシントンDCで631店舗保有、管理合計1,533店舗展開。

事業内容

CubeSmartは米国を中心にセルフストレージ(貸し倉庫)を保有・運営・開発・管理する上場の不動産会社(REIT)です。同社は2024年末時点で631の保有物件と約45.8百万平方フィートの賃貸面積を抱え、第三者管理を含めると合計で約1,533店舗を運営しています。顧客が借りる「キューブ(区画)」を月単位で貸すビジネスが主力です。

主要な顧客は個人の引越し需要や中小事業者で、入居者数は約38.5万人にのぼり単一顧客への依存はありません。同社の収益は賃料収入が中心で、加えて第三者管理の手数料や開発・売買による損益が収入に寄与します。地域別ではニューヨークやフロリダ、カリフォルニア、テキサスが収益の大きな比率を占め、夏場は入居率がやや高まる季節性があります。

事業は単一の報告セグメントとして、物件の取得・運営・改修・管理を一体で行っています。同社は気候管理されたユニットや屋外の車両保管、有人スタッフや自動キオスク、店舗ごとの24時間アクセス等を提供し、サービス品質と利便性で差別化を図っています。成長戦略は選定した市場での買収やポートフォリオ取得、第三者管理の拡大や新規開発を通じて規模と効率を高めることにあります。

経営方針

同社は中核成長戦略として、所有物件の拡大とサードパーティ管理事業の拡大を両輪で進めています。2024年末時点で同社が所有または一部保有する店舗は631件、総賃貸可能面積は約4,580万平方フィート、占有率は約88.8%で、第三者管理店舗は902件にのぼり、所有・管理合計で1,533店舗の規模を有しています。直近の投資活動としては2024年に18店舗を約1.994億ドルで取得しており、そのうちダラスのHinesポートフォリオ14店舗は約1.5725億ドルでした。資金調達は既存の現金、リボルビング・クレジット、社債発行、株式やジョイントベンチャーを組み合わせる計画で、2024年末の負債比率(負債÷企業価値)は約23.3%と財務の余力を重視しています。

同社は立地と物件品質への投資を通じて差別化を図っています。取得基準としては、店舗周辺3マイルの需要を重視し、視認性やアクセス性、流通の良い小売近接エリアにあること、耐荷重や広い通路といった大型車での搬入に適した構造を重視します。顧客サービス面では店長の地域知見や現地での対応力を重視し、多くの店舗で店舗内住居や自動化キオスクを配置して利便性を確保しています。気候管理型ユニットは所有店舗の約83.8%に導入されており、改装や増床、追加リーシングによる稼働率向上も継続的に実施しています。

新市場開拓や事業拡大は、既存の管理体制を活かせる地域を優先する方針です。同社は投資委員会による6段階の審査プロセス(発見〜最終デューデリジェンス)で案件を選別し、単一店舗だけでなくポートフォリオ買収やジョイントベンチャーを通じた85%の持分取得など規模のある取引も実行しています。第三者管理ビジネスの拡大を明確な成長路線とし、管理先オーナーとの関係を通じて将来の買収候補を発掘するほか、パフォーマンスの低い資産は売却して資本を再配分するなど、ポートフォリオの最適化も行っています。

技術革新では運営効率とリスク管理の双方を重視しています。同社は情報セキュリティを全社的なリスク管理に組み込み、情報技術担当上級副社長と情報セキュリティ担当上級ディレクターが主導する体制を敷き、外部専門家による定期的な監査・診断や従業員教育を実施しています。顧客向けには自動化キオスクやコンピュータ制御による24時間アクセスを導入し、店舗側では気候制御や太陽光などの設備投資を推進しています。2025年の資本支出見通しとしては改修や省エネ投資に約1,250万〜1,750万ドル、定常的な維持投資に約1,400万〜1,900万ドル、新規開発に約2,200万〜2,700万ドルを想定しており、技術・設備投資を成長と効率化の重要な要素と位置づけています。