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CareTrust REIT, Inc.CTRE
事業内容
CareTrust REIT, Inc.は医療関連の不動産に投資し、介護施設や高齢者向け住宅、リハビリやメンタルヘルス施設などを所有して賃貸する不動産投資信託(REIT)です。 同社は主に長期の賃貸契約で施設を貸し出し、取得や改修のための資本を確保してポートフォリオを拡大しています。
主要な顧客は地域的・全国的に展開する介護運営会社や高齢者住宅運営者で、借主が税金・保険・維持費などの負担を担う契約形態が収益の柱になっています。 同社は賃料収入に加え、物件を担保とした貸付やメザニン、優先出資といった金融投資からの利息や配当でも収益を得て収益源を分散しています。
事業は内部的に単一のセグメントで管理し、物件取得、売買(売却型リースバックを含む)、共同投資や貸付、優先株投資など複数の取り組みで成長を目指しています。 同社は借主の入居率や運営状況を定期的に監視して改善機会を探り、施設の近代化や省エネ改修に対する支援やインセンティブも提供して運営の安定化を図っています。
経営方針
同社は堅固なバランスシートを維持しつつ、資本市場を積極的に活用してポートフォリオを拡大することを目指しています。具体的には、信用枠や無担保債、必要に応じて担保付きモーゲージを組み合わせる一方で、株式発行による資金調達も重視しています。2024年はATM(随時売出し)で約4,098.6万株を平均価格26.35ドルで売却し総額約11.8億ドルを調達したほか、同年11月には1,590万株を32ドルで公募し約5.08億ドルを得ています。時点の市場価値は約39億ドル、発行済株式数は187,661,893株であり、同社は配当について年次課税所得の少なくとも90%を分配する方針をとっており、2024年の年間分配額は1株当たり1.16ドルとしています。
同社は主にトリプルネット型賃貸の医療関連不動産(スキルドナーシングやシニア住宅、行動健康施設など)への投資を重点分野とし、中小〜地域の運営事業者に対する資本供給で差別化しています。差別化策としては、単なる物件購入だけでなく、優先株や建設ローン、メザニン貸付、セール・アンド・リースバックといった多様な資金提供手段を組み合わせて事業者の成長や施設近代化を支援する点が挙げられます。例えば、2024年には利回り約11%の優先株投資を行う案件があり、こうした資本提供により大手REITが手を出しにくい規模や状況の事業者にも対応できることを同社の強みとしています。
同社は新市場開拓と事業拡大について、安定化した資産の取得を基本にしつつ、選択的に新規開発や既存施設の置換・改修にも取り組む方針です。外部開発者やオペレーターと共同で戦略的開発機会を模索し、場合によっては物件の用途変更(例:行動健康への転用)やテナント入れ替えも行います。ジョイントベンチャー(JV)では通常、総投資額の約90%を同社が出資し、優先持分を100%、普通持分を50%保有するなど、資本配分と制御を通じて成長機会を確保する設計を採っています。実際の投資例として、2024年にカスケード関連の46物件を約9,570万ドルで取得し、マスターリースを締結した取引があり、同社はこうした大型案件を資本市場で調達した資金で実行しています。
同社は技術面ではサイバーセキュリティと環境(ESG)改善に重点投資しています。サイバー面では外部の専門企業を専属で活用し、24時間の監視、自動検知ツール、年次のインシデント対応訓練や全従業員向けのフィッシング対策研修を実施、対処体制を取締役会の監督下に置くことでリスク低減を図っています。環境面ではテナント向けの専用資本支出予算を設け、低排出技術導入を無償インセンティブで支援するプログラムを展開するとともに、まず50物件でエネルギー・水使用量のベンチマークを取るパイロットを行い、年次のサステナビリティ報告で進捗を公表しています。これらにより、同社は運営リスクの軽減と長期的な資産価値向上を両立することを目指しています。