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Coterra Energy Inc.CTRA
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事業内容
Coterra Energy Inc.は、主に米国陸上での油・ガスの探査と生産を手がける上流エネルギー企業です。原油、天然ガス、天然ガスから得られる液体製品を掘削・生産し、資産の開発と生産効率の向上で収益を創出しています。
同社は生産した資源をパイプライン事業者やマーケティング会社、最終消費者向けに販売して収益を得ています。売上は生産量と商品価格の変動に左右されやすく、2024年は2社で約21%と19%の売上を占める主要顧客が存在したことが報告されています。
事業面では探査・生産が中核である一方、自社や第三者の集荷・パイプライン網を通じた輸送や販売機能も重要な役割を持っています。さらに、ガス中心の地域と油中心の地域の双方に資産を保有し、現場向けの水輸送やサイト整備などを行う子会社を通じて現場オペレーションを支えています。
経営方針
同社は安定した成長と財務健全性の維持を両立することを目指しています。2025年の年間資本支出は約21〜24億ドルと計画しており(前年の18億ドルから約28%増、予算の中点ベース)、2025年は営業キャッシュフローのおよそ50%を投資に振り向ける見込みです。生産面では2024年の総合生産量は247.6 MMBoeで、油は39.8 MMBbl、天然ガスは1,024.7 Bcfを産出しており、開発可能な掘削インベントリは今後20〜30年での開発を想定しています。開発ペースとしては2024年の稼働井数(Turn-in-line)が153本に対し、2025年は175〜205本を予定している点も成長の数値目標です。
同社は重点的に投資する分野で差別化を図っています。資産はペルミアン、マーセラス、アナダルコの3地域に分散しており、地域と商品(油・ガス・NGL)でのバランスにより価格変動への耐性を高めています。加えて集積した採掘区画や第三者・自社の集積・パイプライン網にアクセスできることを強みとし、低コスト構造と資本効率の高い掘削を通じて同業他社との差別化を図っています。資本調達面ではリボルビング枠を15億ドルから20億ドルへ拡大し(満期を2029年9月へ延長)、シニアノートの発行などにより流動性を確保しています。
事業拡大は買収を軸に加速しています。同社は2025年1月にデラウェア盆地の資産を含むFranklin Mountain Energy(FME)を買収(総額約25億ドル、うち現金約17億ドル+発行株28,190,682株=約7.85億ドル相当)し、同時期にAvant社資産も約15億ドルで取得しました。これらの案件は1.0億ドルの遅延引出型タームローンの借入や既存の資金手当てで部分的に資金化され、同社のPermian(デラウェア含む)での生産と成長ポテンシャルを拡大します。また株主還元については買戻し枠2.0億ドルが設定され、2024年には1,700万株を約4.64億ドルで買い戻すなど、配当と自己株買いの両面で資本配分を実行しています(四半期配当は2024年ベースで0.21ドル、2025年Q1から0.22ドルに引上げ)。
同社は技術革新と持続可能性への取り組みを事業運営の中心に据えています。設計段階から設備改良に至るまで技術を導入し、メタン排出やフレアリング(焼却)削減の実務的対策を進めているほか、淡水や生産水の効率利用、リーク防止、土地影響の最小化といった環境施策を実行しています。安全面では従業員に作業停止権(Stop Work Authority)を付与するなど現場主導の安全文化を徹底しており、これらの成果は同社の2024年サステナビリティ報告書で公表されています。