CONSTELLIUM SECSTM

時価総額
$22億
PER
アルミ圧延・押出製品の設計・製造の世界最大手。航空宇宙向け高付加価値合金や自動車向け構造部材を展開。2024年12月31日時点で25工場、3R&Dセンターを保有、T. Rowe Priceが13.8%出資の大株主。北米・欧州を中心にグローバル展開。

事業内容

CONSTELLIUM SEはアルミニウムの圧延や押出加工を中心に、合金製品や加工済み部材を設計・製造する世界的なメーカーです。軽量化や高強度を追求した高付加価値製品を主力に据え、リサイクルや研究開発にも積極的に投資しています。

同社の主要顧客は航空機メーカー、飲料缶などの包装メーカー、自動車メーカーといった大手企業で、上位10社が売上の約55%を占めています。長期的な共同開発や厳格な製品認証を通じて顧客と緊密に連携し、製品価格にはアルミ原料の変動を反映させる仕組みで収益変動を抑えています。

同社は事業を大きく三つのセグメントで展開しており、航空・輸送向けには板材や薄板、押し出し材などの高性能製品を提供しています。包装・自動車向けの圧延製品や自動車構造部材では、設備投資と技術開発を活かして軽量化・強度向上を図り、顧客と共同で材料や部品を最適化することで差別化を進めています。研究開発拠点と先進的な生産設備により、技術的優位性の維持を目指しています。

経営方針

同社は「軽く、強く、持続可能なアルミニウム製品を提供しつつ、株主に魅力的なリターンをもたらす」ことを成長の基本方針としています。具体的には技術的に差別化された高付加価値品に注力し、製造設備の有効稼働率向上とフリーキャッシュフローの改善を通じて財務の柔軟性を高めることを目指しています。2024年末時点で世界に25の製造拠点と3つの研究開発センターを保有しており、製品価格に原材料コストを反映させ、残差リスクはヘッジして「アルミ価格中立」を実現する方針を取っています。

同社は航空宇宙、包装、自動車を重点市場と定め、その中で高付加価値・特殊合金製品を拡大することで差別化を図っています。例えばアルミリチウム合金「Airware®」など、軽量化と高強度を両立する材料開発を進めており、これにより一般的なコモディティ製品より高いマージンが確保されます。また、製造・リサイクル能力に対する投資や製品の成形性・強度改善といった具体的施策を通じて、顧客のカーボン削減や軽量化ニーズに応えています。

同社は顧客との結びつきを強めることで新市場や案件の獲得を図っています。長期の顧客共同開発や厳格な製品認定プロセスにより高い参入障壁を築き、サプライチェーン統合や顧客向けのクローズドループ・スクラップリサイクルプログラムで需給を最適化する計画です。自動車向けは車種ライフサイクルに合わせた数年単位の契約が多く、これを活用して安定した受注基盤を築くとともに、投資は選択的に行い投下資本利益率の確保を重視しています(トップ10顧客で2024年は売上の約55%を占める点も踏まえた戦略です)。

同社は技術革新を成長の原動力と位置づけ、フランス・米国・英国の3拠点で研究開発を推進しています。ブランネル大学との共同研究など外部連携も活用し、合金設計やプロセス技術、表面処理や前加工といった下流サービスまで含めた総合的な技術支援を行っています。工場運用面ではボトルネック解消や稼働率向上、エネルギー固定契約や先物でのヘッジによるコスト安定化を進め、リサイクル比率向上で原料依存を低減しつつ環境負荷低減を目指しています。