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COSTAR GROUP, INC.CSGP
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事業内容
COSTAR GROUP, INC.は商業用・住宅用の不動産情報を中核に、オンラインの物件市場、詳細なデータベース、物件や市場を分析するツールを提供しています。同社は独自の調査網と情報管理システムで大量の不動産データを集め、顧客が意思決定に使える形で日常的に配信しています。
主要な顧客は不動産仲介業者、物件所有者・管理会社、貸し手や投資家などの業界プロフェッショナルで、住宅購入者や賃貸希望者も消費者としてサイトを利用します。同社は年間更新が中心の定期課金契約を主な収益源とし、広告収入やリース管理などのソフトウエア利用料で収益を多角化し、営業・マーケティングと追加販売で顧客基盤を拡大しています。
事業は北米と国際の二つの地域区分で運営しており、製品群は商業用リスティングと分析、住宅向けのオンライン市場、リース・資産管理ソフト、ホテル業界向けのベンチマークなどに分かれます。近年は戦略的な買収でサービスの幅を広げ、買収した技術やデータを自社ネットワークに統合することで付加価値を高めています。同社は情報の質とシステムの安定性に投資し、研究開発とマーケティングで競争力を維持しようとしています。
経営方針
同社は定期契約型のオンライン市場と情報・分析サービスを軸に、継続的な会員収入とブランド認知の拡大で成長を図っています。具体的には、2025年もHomes.comの専任営業チームの採用を続け、未支援(広告なし)でのブランド認知度を高めるための標的型マーケティングを強化し、リピーター獲得を重視する方針です。これに伴い、同社は販売・マーケティング費用の増加を見込んでおり、直近ではマーケティング費用が前期比で約3.04億ドル増加、営業人件費が約6,700万ドル増加している点からも販売体制への投資を明確にしています。また、株主還元や資本政策としては、取締役会が最大5億ドルの自社株買い枠を承認しており、資金面では最大11億ドルの変動金利借入枠を持つことなどで柔軟性を保っています。
同社は差別化の源泉をデータとプラットフォームの深さに置いており、プロダクトとコンテンツの開発に継続投資しています。2024年のソフトウェア開発費は約3.25億ドルで、研究・開発やシステム強化に人員と設備を振り向けていることが分かります。固有の物件データベースや品質管理の仕組み、販売・リサーチ・サポートを統合する企業向け情報管理システムにより、利用者が信頼できる情報をワンストップで得られる点を競争優位としています。さらに、Business Immo、OnTheMarket、Visual Leaseなどの買収を通じて地域・機能の幅を拡げ、既存製品との連携で差別化を図っています。
新市場の開拓では国際展開を明確に推進しており、CoStarやLoopNetの海外展開を拡大するために欧州の調査チームを増強しています。具体的にはLoopNetをフランスとスペインでローンチする計画があり、商業物件の掲載網を拡大する方針です。同社はまた、Homes.comの収益化戦略を2024年2月に開始しており、エージェントや消費者の囲い込みを図りつつ既存サービスのクロスセルを進めています。加えて、2024年に発表したMatterport買収(条件付き)など、空間データや新技術を取り込む大型の戦略的投資も視野に入れ、事業の横展開と機能強化を進めています。
技術革新への取り組みとしては、同社は自動化とデータ統合を重点にしています。賃貸契約データを匿名化・集約して価格や稼働率の信頼性の高い指標にすることや、CoStar Real Estate ManagerとVisual Leaseの統合を開始する計画など、プロダクト間でデータを連携させる取り組みを進めています。ITインフラ面では複数のデータセンターとクラウドを併用し、常時監視や不正検知の仕組みを導入してサービスの安定性とデータ保護を確保しています。同社はこうした技術投資で中長期的な競争力を高める一方、短期的には投資が収益性を圧迫する可能性や、借入契約の制約(金融条項)を踏まえた資金配分の検討が必要であることも認識しています。