CROSS TIMBERS ROYALTY TRUSTCRT

時価総額
PER
石油・ガスのロイヤルティ信託の有力企業。90%・75%のネットプロフィットインタレストによるロイヤルティ受領を展開。1991年設立、2010年6月の買収でグループ化、発行口数6,000,000口(時価約64.8百万ドル、2024/6/28)。主に米国テキサス、オクラホマ、ニューメキシコ。

事業内容

Cross Timbers Royalty Trustは、石油と天然ガスの生産から生じる純利益の取り分(ネット・プロフィット・インタレスト)を保有する信託で、自己で掘削や生産を行わずにその取り分から収入を得ています。主な「製品」は、資源の販売による純利益に対する受取権利であり、これを基に投資家へ分配を行っています。

同社の主な収入源は、基礎資産を運営するXTO Energy(ExxonMobilの関連会社)が売却した生産物の純利益から支払われる定期的な分配金です。収入は月次で算定した純売上に基づく一定割合(90%または75%)で決まり、石油・ガスの価格や生産量、コスト変動により増減します。

同社の資産構成は大きく二つに分かれ、90%の純利益取り分は主にロイヤリティ系の権利から、75%の取り分は一部の操業持分(ワーキングインタレスト)から成ります。基礎となる鉱区はテキサス、オクラホマ、ニューメキシコに集中し、受託者が分配管理や報告、サイバー対策などの運営業務を担い、信託自体は原則としてこれらの純利益取り分以外の資産を増やさない運用方針を維持しています。

経営方針

同社はユニット保有者への分配の安定化と長期的な還元の最大化を目指しています。具体的には、2024年のネットプロフィット収入が6,563,177ドル、1ユニット当たりの年間分配が0.946303ドルとなっており(発行済みユニット数は6,000,000)、こうした現金収入を月次分配の原資に充てる方針です。一方で2024年の割引現在価値(standardized measure)はネットプロフィット権益合計で約3,133万ドルと前年の約4,470万ドルから減少しており、同社は価格変動やコスト上昇に伴う予測の下振れを踏まえ、必要に応じて現金準備金を積み増すなどして分配の継続性を確保することを重視しています。

同社の重点投資分野は自前の掘削や開発ではなく、既存の権益からの収益最大化にあります。Cross Timbersは90%および75%のネットプロフィット権益という形で主にテキサス、オクラホマ、ニューメキシコの基礎資産に依拠しており、運営・開発リスクや生産経費は基本的にオペレーターであるXTO Energy(ExxonMobil系)が負担します。この構造により同社は資本投下を伴う拡張リスクを取らずに収益を得る点で差別化されており、運営面では管理費の抑制(例:2024年第4四半期の管理費は158,890ドル)や透明な収益計算、過払いがあれば将来収入で相殺する仕組みなど具体的な統制を通じて利回りの安定化を図っています。

新規の市場開拓や事業拡大については、信託の契約上、同社自身が自由に資産を取得したり売却したりする余地が限定されているため、直接的な地理的拡大は基本的に行いません。したがって成長の主要手段は、既存の基礎資産を運営するXTO Energyの掘削・開発活動(例えば密度掘削や追加開発)による生産増や埋蔵量回収率の向上を通じた収入増加に依存しています。なお、権益の売却は発行済ユニットの少なくとも80%の承認が必要であり、この制約の下でオペレーターとの連携を深め、基礎資産からの収益性を高めることが実質的な「事業拡大」策になっています。

技術面では、信託自体が生産技術を持たない一方で、トラスト運営に関する情報管理と安全性向上に重点を置いています。同社(トラスティ)はサイバーリスク管理プログラムを維持し、専任人員と外部ベンダーによる年次評価を行うなど予防・検知・対応体制を整備しており、従業員教育や外部パートナーとの連携によって情報資産の保護を図っています。また生産・埋蔵量に関する技術的進展はXTOの責任領域であり、同社はオペレーターの技術革新(掘削効率や回収率向上)をモニタリングして、これが収益や標準見積り(standardized measure)に与える影響を投資家に開示することで価値向上を支援しています。