Crocs, Inc.CROX

時価総額
$50.1億
PER
生活者向けカジュアルフットウェアの大手。独自樹脂素材とカラフルなデザインによる軽量で快適なシューズを展開。2022年2月に約23億ドルで同業を買収。直営店と自社EC、卸売チャネルを組み合わせた販売網と多拠点倉庫で迅速な供給を実現。2024年に約430万株を自社株買いで取得。北米・欧州・アジアを中心に展開。

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企業概況
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業績概況
テーマ
ブランド
1項目)
ライバル企業
3社)
同業種の日本企業
4社)

事業内容

Crocs, Inc.はカジュアルシューズの企画・製造・販売を行う企業で、発泡素材を用いた軽くクッション性の高いクロッグ(サンダル)が主力製品です。カラーバリエーションや着脱のしやすさを強みに、幅広い年齢層に向けたシンプルな履物を展開しています。

同社の主要顧客は一般消費者で、収益は直営店、オンライン直販、卸売や販売代理店を通す店舗販売の三つのチャネルから得ています。近年は同社のオンライン販売比率が上がり、販売構造の中で利益率向上に寄与している一方、卸売は受注ベースで変動しやすい特徴があります。

同社の事業は主にCrocsブランドと買収したHEYDUDEブランドの二つの報告セグメントに分かれ、製品ラインは定番のクロッグに加えサンダルやスニーカー風のカジュアルシューズ、子供向けモデルなどで多様化しています。コラボ商品やアクセサリー、期間限定モデルを通じて需要を喚起し、北米・欧州・アジアの物流拠点で供給を支えています。

経営方針

同社はグローバルなカジュアルフットウェア市場での地位を強化し、持続的な成長を実現することを目指しています。具体的には、既存のコア市場での市場シェア拡大と製品ポートフォリオの多様化を掲げており、2024年末時点の現金約180.5百万ドル、利用可能な借入枠約824百万ドル、総借入約1.3億ドルという財務基盤を背景に成長投資と株主還元を並行して進めています。株主還元では2024年に約551.2百万ドル分の自社株買いを実行し、発行済株式数は2025年2月6日時点で56,056,159株、2024年6月28日時点の非関連株主保有時価総額は約73億ドルでした。

同社は投資の重点を人材、マーケティング、デジタル、直営小売に置き、製品面ではサンダルやスニーカーなどの新たなシルエットへの拡大を進めています。差別化は「機能性・快適性・カラー・軽量設計」といった製品特性の訴求と、ブランドコラボや限定品での話題化によって図る方針です。2022年に約23億ドルで買収したHEYDUDEをグループに加えたことにより、二つのブランドを通じたチャネル最適化と幅広い顧客層への訴求を狙っており、HEYDUDEの流通・デジタル基盤を活用して成長を加速させようとしています。

新市場開拓と事業拡大では、すでに80か国超でホールセールと直販の二本柱で販売している流通網をさらに強化する計画です。同社はデジタルマーケットプレイスの立ち上げ・拡大を継続するとともに、小売店舗は「選択的に」追加してブランド体験を補完する方針を打ち出しています。サプライチェーン面では北米や欧州、アジアにおける物流拠点の整備(米国デイトンやネバダ、オランダ、日本の拠点拡張など)で供給能力を高め、在庫管理と受注フルフィルメントの効率化を図ることで国際展開を支援しています。

技術革新については、デジタルコマースや統合基幹システム(ERP)や倉庫管理システムに対する投資を重視しており、これらの基盤で顧客体験の向上と業務効率化を進めています。生成系人工知能はマーケティング、商品企画、計画業務などで採用しつつ、法務や情報セキュリティによる審査プロセスを組み込んでリスク管理を行っています。サイバーセキュリティ面ではNISTの指針に沿ったインシデント対応計画を整備し、事業継続性と顧客データ保護を両立させる取り組みを続ける一方で、2030年代以降を見据えた環境負荷低減として「2040年ネットゼロ」へのコミットも掲げています。