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CRH PUBLIC LTD COCRH
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事業内容
CRH PUBLIC LTD COは世界各地で建設用資材の製造・供給と施工サービスを手掛ける総合建材企業です。骨材やセメント、舗装工事、建築・インフラ向けの資材に加え、設計・据付・保守や循環型資材の活用まで一貫して提供しています。
同社の顧客は国や地方自治体、大手建設会社、空港や物流施設の運営者、住宅所有者など多岐にわたり、公共インフラから民間住宅市場まで収益基盤を分散しています。売上は地域別に米国が中心で、製品販売だけでなく長期工事や設置・保守契約からも継続的に収入を得ています。
事業は大きく四つに分かれており、基礎資材(骨材・セメント)、道路関連(舗装の製造・施工・維持)、建築・インフラ(地下配管や通信・エネルギー関連の資材と工事)、屋外生活(フェンスや庭まわり製品など)を展開しています。道路関連ではリサイクル材料の活用で廃棄物・排出削減に取り組み、建築・インフラでは設計と技術を組み合わせて複雑な工事に対応しています。加えて研究開発やベンチャー投資で低炭素製品や省エネ技術の導入を進め、各地域で事業の拡大を図っています。
経営方針
同社は成長を「規模拡大+収益性向上」の両面で進めています。2024年の総売上高は35,572百万ドル、セグメント別では米国の資材系(Americas Materials)が16,173百万ドルと大きな比重を占め、同社は価格改定とコスト管理で同セグメントの調整後EBITDAを約3.7億ドル増加させるなど、マージン改善を実現しています。投資家向けには安定した配当成長とバランスの取れた資本配分を重視しており、債券発行や内部資金を活用して戦略的な買収と有利子負債の管理を両立させる方針です。
同社は重点投資分野として「基礎資材(セメント・骨材)」「道路ソリューション」「建築・インフラソリューション」「屋外生活関連製品」の4領域を掲げ、垂直統合による差別化を図っています。具体的には自社での原料から施工までの一貫提供により顧客の利便性と価格競争力を高め、舗装では再生資材(RAP)の利用拡大や低炭素セメントの投入などで環境面でも差別化を進めています。2024年にはHunter(約21億ドル)やAdbri(約8億ドル)を含む大規模買収を実行し、M&Aで技術・地域を補完することを明確な施策としています。
新市場開拓では買収と有機成長を併用して事業を拡大しています。2024年は合計で数十件の買収を行い、特に米国の補強とオーストラリアでのポジション強化を図りました。資金調達面でも2025年初頭に保証付シニアノートを発行して約30億ドルを調達するなど、成長投資を支える資本政策を整えています。加えて中央・東欧やアジアでのボリューム拡大を狙い、既存の営業網と統合ノウハウで地域横展開を進める計画です。
同社は技術革新と持続可能性を成長の中核に据え、250百万ドルのベンチャー投資基金(Venturing and Innovation Fund)やグローバルなイノベーション拠点(iCSC)を通じスタートアップや新技術に出資・共同開発を行っています。2024年には「環境性能強化製品」からの売上が146億ドルとなり前年より成長しており、低炭素材料、透水性舗装、デジタル施工管理などの実装・拡大を目指しています。これらの取り組みで同社は規模と収益性を両立させつつ、長期的な脱炭素と循環型資源利用の実現を目指しています。