Charge Enterprises, Inc.CRGE

時価総額
$451.6万
PER
EV充電・ブロードバンド・無線塔建設などインフラ事業の新興企業。24時間体制のNOCや監視ダッシュボード、電力バックアップ設計を展開。21年5月と21年12月の買収や22年2月のシリーズC優先株で約1,080万ドル調達。米国を中心にグアテマラ、ルーマニアで運用拠点展開。

事業内容

Charge Enterprises, Inc.はインフラ整備と通信サービスを中心に事業を展開しています。 同社は電気自動車(EV)充電設備の設計・設置と、それを支えるブロードバンドやワイヤレスネットワークの構築・監視を主力サービスとしています。また通信塔の新設や改修、屋内無線システムの導入や24時間稼働のネットワーク運用センターによる監視業務も行っています。

同社の主要な顧客は自動車販売店やフリート事業者、携帯通信キャリア、商業施設や集合住宅の所有者、そして建設の元請業者です。 事業収益は現場施工や改修のプロジェクト収入が中心である一方、充電インフラやネットワークの監視・保守、監視ソフトウェアなどの定期的なサービスからの継続収入の拡大を重視しています。

事業は大きくEV充電とブロードバンドを含むインフラ事業、通信サービス事業、電気工事事業の三本柱で運営しています。 具体的には充電器の導入からエネルギー管理や保守までの一貫サービス、通信塔やアンテナの施工・保守、屋内無線システムの設計施工、バックアップ電源の設計・設置、そして監視用ダッシュボードなどのソフトウェア開発を手掛けています。

経営方針

同社はインフラ事業を成長の主軸に据え、特に電気自動車(EV)向け充電インフラと高速ブロードバンドを中心に事業拡大を図っています。成長は有機的拡大と機会を捉えた買収の組み合わせで進めており、直近ではGet Charged、PTGi、ANS、BW、EV Depotなどを統合してきました。従業員数は2020年末の44名から2022年末には385名へ急増しており、同社は人員・プロセス・ツールへの再投資で売上とキャッシュフローの拡大を狙っています。なお資本規模の目安として、2022年6月30日時点の非関係者保有時価総額は約4.54億ドル、発行済普通株式は2023年3月1日時点で約2.07億株となっています。

同社は重点投資分野としてEV充電サービスの現場設計・施工・保守と、それを支える電力管理・蓄電などのソリューションに注力しています。差別化の柱は顧客に寄り添うエンドツーエンドの提供体制で、自社で設計から現場工事、運用保守まで一貫して担うことで競合との差別化を図っています。具体的施策としては自社人材の拡充やプロジェクト管理体制の強化、管理・販売・保守を担うソフトウェア開発への投資を進めており、直近では人件費やストック報酬を拡充するために給与・報酬費用を増額しています(例:ストック報酬は2022年に約3,540万ドル)。

新市場開拓と事業拡大の計画では、自動車販売店やフリート事業を初期優先顧客として据え、集合住宅や商業施設、駐車場、配送拠点など用途を横展開する方針です。買収戦略は設計・エンジニアリングやプロジェクト管理能力を持つ企業を重視し、BW買収の最終対価は約2,049万ドル、ANS買収は約1,980万ドルといった大型案件も実行済みです。資金面では営業キャッシュフローと私募・借入を主な調達源とし、2022年には転換社債の株式化などで資本構成を整理しており、現在は運転資金と信用枠で今後12か月の資金需要を賄える見込みですが、必要に応じて資本市場アクセスも検討する旨を明示しています。

技術革新への取り組みとしては、充電インフラ向けの監視・保守用ソフトウェアやクラウドサービスを開発し、定期収益化を目指しています。具体的には中央監視ダッシュボード、リアルタイム障害通知、自動サービス依頼、遠隔修復機能といった機能を備えた運用監視システムを構築中で、これにより保守収入と現場派遣の機会を増やす計画です。さらに、エネルギー管理や蓄電・再生可能エネルギー連携、ホワイトラベルの運用ソフトなどの開発も進め、技術面での優位性を高めることで長期的な競争力の維持・拡大を図っています。