COPART INCCPRT

時価総額
$396.6億
PER
オンライン中心の自動車リマーケティング・オークションの米国最大手。VB3のバーチャル入札やAI分析ツールなどのネットサービスを展開。2023年10月にPurple Waveを約1.08億ドルで取得、2022年7月にHillsを約1.07億ドルで買収。米国中心に欧州、カナダ、ブラジル、中東で展開。

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企業概況
109文字)
業績概況
テーマ
ブランド
3項目)
ライバル企業
1社)
同業種の日本企業
2社)

事業内容

Copart, Inc.はインターネットを主軸に事故車や中古車のオークション事業を運営しています。同社は保険会社などから引き受けた全損車や廃車の保管・点検・デジタル記録管理を行い、オンライン入札プラットフォーム(VB3)を通じて世界中の買い手に販売しています。

主要な売り手は保険会社で、米国セグメントが収益の大部分を占めていますが、ディーラー、個人、レンタカー会社、金融機関やフリート事業者も顧客に含まれます。同社の収益は主にオークション手数料や輸送・保管・書類手続きなどのサービス料から得ており、国や状況によっては車両を直接買い取って再販することもあります。

事業は米国内と国際の二つの報告セグメントで管理され、オンライン出品・入札サービスのほか、査定支援(Copart ProQuote)や販売最適化ツール(IntelliSeller)、決済やモバイルアプリといった付加価値サービスを組み合わせて展開しています。同社は廃車部品の再販や重機オークション(Purple Waveの買収など)、広範な保管・輸送ネットワークを通じて売り手・買い手双方の利便性と回収率を高めています。

経営方針

同社は持続的な利益の創出と環境・社会的便益の両立を目指しています。直近の業績構成を見ると、2024会計年度はサービス収入が全体の約84%を占め、車両販売は約16%であり、営業利益率は約37%、純利益率は約32%と高い収益性を確保しています。こうした高い利益率と、必要に応じて株式や債務発行による追加の流動性確保が可能である点を背景に、同社は安定したキャッシュ創出を成長投資に振り向ける戦略を取っています。

重点投資は主に施設拡充と付加価値サービスの強化に置かれています。同社は主要市場での車両保管・処理能力を拡大するために土地やヤードの取得・開発を進め、地域サプライヤーや保険会社との販売契約を拡大することを目指しています。加えて、買手・売手双方に利便性を提供するため、査定や輸送、名義処理などの統合サービスを導入し、買受け価格向上と取引サイクル短縮による差別化を図っています。近年ではHills(買収額約1.066億ドル)やPurple Wave(取得対価約1.08億ドル、2023年10月)といった戦略的買収にも資金を投じ、事業の裾野を広げています。

新市場開拓ではグローバル展開を加速させており、対象地域は米国、カナダ、英国、ブラジル、ドイツ、スペイン、フィンランド、アラブ首長国連邦、オマーン、バーレーンなどに及びます。開設ペースも高く、直近では2022会計年度に7か所、2023会計年度に11か所、2024会計年度に9か所の新規稼働施設を開設しています。同社は既存の運営手順や管理情報システムを新規・取得施設に導入してコスト効率を引き上げ、地域ごとの規制や用地制約を踏まえつつ供給網を拡大することで、保険会社など大口売り手の全国・国際契約を狙っています。

技術革新への取り組みは経営戦略の中核です。同社は自社開発の管理情報システムと入札プラットフォーム(VB3)でオンライン中心の取引体制を整備し、機械学習を用いた価格提案ツールや損害査定支援ツールで売却判断と再出品の最適化を行っています。ソフトウェアへの投資も積極的で、2024年時点の資本化ソフトウェア残高は約1.05億ドル、当期のソフト償却費も計上しており、引き続きデータ活用と自動化による処理効率化、サイバーセキュリティ強化(国際的な基準に基づく多層防御と復旧体制の整備)に資源を配分しています。これらにより同社は取引の透明性向上と会員定着を図り、収益性の維持・拡大を目指しています。