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Coupang, Inc.CPNG
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事業内容
Coupang, Inc.は韓国を中心にオンライン小売を基盤とし、速い配送と使いやすいアプリ体験を強みにした総合コマース事業を展開しています。同社は自社で在庫を持つ直販と第三者出店のマーケットプレイスを併用し、日用品から耐久消費財まで幅広い商品をモバイルやウェブで販売しています。
主要顧客は日常的にネットで買い物をする一般消費者で、特に迅速な配送や利便性を重視する都市部のユーザーに支持されています。同社の収益は商品販売の粗利に加え、マーケットプレイス手数料、物流・フルフィルメントのサービス収入、広告やデジタルサービスから成り立っています。
事業は大きく自社販売の小売、第三者出店のマーケットプレイス、同社が自前で運営する物流・配送ネットワークの三本柱で構成しています。加えて食料品や即日配送、決済や映像配信などの新規領域や高級品分野への拡大に投資し、成長の多角化を図っています。
経営方針
同社は成長と収益性の両立を目指しています。直近の決算では2024年の総売上高が約302.7億ドル、うち自社在庫による小売売上が約238.7億ドル、マーケットプレイスや広告を含む第三者サービスが約55.8億ドルを占めており、収益の90%超を韓国市場が占めています。過去には赤字が続いた時期もあり(2021年は約15億ドルの純損失など)累積欠損も存在しますが、同社は「最近は黒字化しており今後も利益を維持することを目指す」と公表しつつ、顧客獲得や品揃え拡大のために引き続き積極的な投資を行う計画です。
同社は物流とサービスで差別化する方針を鮮明にしています。具体的には追加のフルフィルメントセンター整備や配送インフラへの設備投資、会員プログラム(Rocket WOW)や生鮮カテゴリー(Rocket Fresh)といった独自サービスの拡充により、配送スピードと顧客満足度を高める施策を重視しています。また自社在庫とマーケットプレイスの両面を伸ばすことで商品供給の幅を広げ、広告や手数料といった第三者サービスからの収益(2024年は約55.8億ドル)を拡大することで収益構造の多様化を図っています。
海外展開と事業領域の拡大にも積極的です。2024年1月にラグジュアリー分野への進出を狙ってFarfetchを買収(買収対価は約2.08億ドル)しており、買収後のFarfetchの2024年売上は約16.6億ドルでした。これにより同社は高級品領域と欧米市場でのプレゼンスを高めようとしていますが、買収統合に伴う会計・業務システムの統合や内部統制の強化といった具体的な課題も掲げており、無理のない統合と品質の高いサプライヤー確保を進めながら新市場での拡大を図っています。
技術革新への取り組みも経営戦略の要です。同社は人工知能やモバイル技術の進化に対応するため、研究開発とインフラ整備に継続的に資源を投入すると明言しており、レコメンドや検索の高度化、物流の自動化、データを活用した需要予測などを具体的な投資領域としています。一方でこれらの投資は短期的な収益改善につながらないリスクや規制面での制約もあるため、実行にあたっては段階的な導入と効果検証を行い、長期的な競争力強化を目指す方針です。