CONOCOPHILLIPSCOP

時価総額
$1178億
PER
石油・天然ガスの探鉱・生産の最大手。Optimized Cascade®を含むLNG液化技術を28系列で展開。2024年11月の165億ドル買収、2023年10月の約30億ドルでのSurmont取得。米国・カナダ・欧州・アジア・アフリカで事業展開。

ランドスケープPowered by 会社四季報オンライン

企業概況
107文字)
業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
ライバル企業
2社)
同業種の日本企業
2社)

事業内容

ConocoPhillipsは世界各地で原油、天然ガス、液化天然ガス(LNG)、NGLやビチューメンの探査・開発・生産を行い、それらを市場向けに販売する上流中心のエネルギー企業です。同社は自社生産に加え、輸送と貯蔵の容量を有効活用するために第三者のコモディティを売買しながら顧客需要に応えています。

販売先は地域のガス配給会社や電力会社、大手産業、独立系や国営の石油・ガス会社、商品マーケターなど多様で、収益は市場価格や指標に基づく契約による比重が大きいです。同社は契約や輸送の取り決めで価格変動や信用リスクを管理し、商業組織を通じて販売タイミングと実現価格の最適化を図っています。

事業は地域別セグメント(アラスカ、米国本土、カナダ、欧州・中東・北アフリカ、アジア太平洋、その他国際)とコーポレート部門で構成され、上流資産の開発と生産が中核です。同社はオーストラリアやカタール、赤道ギニアのLNG持分やポートアーサーLNG出資のほか、LNG液化技術のライセンス提供や二酸化炭素回収・貯留(CCS)や水素検討など低炭素技術への投資も進めています。

経営方針

同社は成長と株主還元の両立を目指しています。2025年には資本支出を約129億ドルと見込み、当面の株主還元目標として「現行のコモディティ価格で約100億ドル」を株主還元に充てる計画を示しています。実際に2024年は営業キャッシュフローで201億ドルを生み出し、株主に91億ドルを還元(自社株買い55億ドル、配当・VROCで36億ドル)しました。生産面では2025年の生産ガイダンスを日量234万〜238万バレル換算油当量とし、2024年のリザーブ代替率は244%、オーガニックで123%と高い埋蔵量補填を達成しており、安定的な供給基盤を強化しています。

投資の重点は「低コストの供給源」に置かれており、同社は自らの資産群の中で採算性の高い案件に資本を集中させる戦略を採っています。短期で回収が見込める米国のLower 48(地上権益)をはじめ、長期的な価値創出が期待されるアラスカのWillowプロジェクトや液化天然ガス(LNG)案件にもバランス良く投資しています。差別化要因としては、低い供給コストを基準にした資本配分、月次でのコスト管理、および2024年時点で既に実行した大型案件の取得やパートナーシップによるポートフォリオ拡大があります。

同社は事業拡大として既存市場の深耕と新しい市場ポジションの構築を同時に進めています。2024年に完了したMarathon Oilの買収は米国の非在来型資源での高品質な埋蔵量を補完し、アラスカではKuparukやPrudhoe Bayの持分を追加取得しました。LNGの価値連鎖拡大にも注力しており、ベルギーのZeebruggeでの長期再ガス化契約やアジアでの長期販売契約、米国ガルフコーストのPort Arthur LNGへの30%出資(稼働予定は2027年)などで供給・販売面の足場を強化しています。一方で非中核資産の売却で約20億ドルの処分目標を進め、資本効率を高める施策も並行しています。

技術革新と脱炭素化への取り組みは経営戦略の重要な柱です。2021年に低炭素技術部門を設置し、温室効果ガスの強度削減やフレア・メタン排出削減の短中期目標を掲げています。実務面では二酸化炭素の貯留(CCS)調査や電化検討、メタンの連続監視装置導入、ゼロ/低排出機器の設計改善などを実施し、2024年にはメタン管理の国際基準であるOGMP 2.0のゴールド認証を取得しました。技術面での差別化としては同社が世界で二番目に大きい液化技術の提供者であり、自社技術を28のLNGトレインにライセンスしている点も挙げられます。ただし、低炭素事業の採算化や規制環境、オフセット市場の供給など不確実性が残るため、同社は計画の柔軟な見直しや市場の成熟度を踏まえた投資判断を行う方針です。