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COOPER COMPANIES, INC.COO
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事業内容
Cooper Companies, Inc.は、視力ケアと女性の生殖・婦人科領域に特化したグローバルな医療機器メーカーです。同社はコンタクトレンズや不妊治療・産婦人科向けの医療機器・サービスを設計・製造・販売し、臨床支援やトレーニングも行っています。
同社の主要な顧客は眼科・視力ケアの診療所やディストリビューター、量販店に加え、不妊治療クリニックや産婦人科、病院などの医療機関が中心です。販売は直販と代理店経由の両方で行い、連結売上高で単一の顧客が10%以上を占めることはありません。
事業は主に二つのセグメントに分かれており、視力分野では日用・2週間・月間タイプのコンタクトレンズや乱視・老眼対応、近視管理向け製品などを展開しています。女性の健康・生殖分野では体外受精を支える機器や手術用具、避妊具、臍帯血などの保管サービスや遺伝子関連サービスまで幅広い製品ラインを揃え、買収と研究開発で製品群を拡充しています。
経営方針
同社は長期的な成長を「ビジョン(コンタクトレンズ)」と「女性の健康・不妊領域(CooperSurgical)」の二本柱で実現することを目指しています。直近の時価総額は非関係者保有分で約17.6億ドル(2024年4月30日時点)で、発行済み株式数は2024年11月29日時点で199,582,626株(2024年2月16日の4分割後)です。資本配分では買い戻し枠が残り約2.56億ドルある一方で、2023年12月に配当の半期宣言を終了しており、成長投資と選択的な資本還元のバランスを図る方針を示しています。
重点投資分野はシェアの拡大と製品差別化が可能な領域です。CooperVisionでは使い捨て、2週間、月間の各種レンズ(球面、トーリック、多焦点)やシリコーンハイドロゲル素材、さらに小児の近視進行抑制に対するMiSightなどの差別化製品を強化しており、MiSightは米国FDAや中国NMPAの承認を取得しています。CooperSurgicalではIVF関連機器、凍結保存(臍帯血・組織)やゲノミクス検査、避妊具(Paragard)など600品目超のポートフォリオを活かし、買収での技術補完(2023年にCook Medical資産取得で総額3億ドル、2024年6月に精子分離デバイス企業を3350万ドルで取得)によって製品とサービスを横断的に組み合わせる差別化を図っています。
新市場・事業拡大では、地理的な拡大とチャネルの多様化を重視しています。CooperVisionは欧州、米州、アジア太平洋に主要生産拠点(ベルギー、コスタリカ、ハンガリー、プエルトリコ、英国、米国等)を持ち、中国など成長市場での製品承認を活用して販売網を拡大しています。CooperSurgicalはクリニック向けサービスと消費者向け啓発を同時に進め、ダイレクト・トゥ・コンシューマーの広告やデジタルマーケティング、eコマースを強化することで需要喚起とチャネル支配力を高める計画です。加えて、同社は今後も補完的な技術や事業の買収、ジョイントベンチャーを継続的に検討すると明言しています。
技術革新への取り組みは研究開発とシステム投資の両面で進められています。製品面では特許や商標で保護された材料・デザインの開発と臨床データの蓄積に注力し、MiSightのような承認済み製品で差別化を図っています。運営面ではERPやクラウド基盤の導入を含む情報システムに投資しており、これらの実装費用は適用段階で資産計上し償却しています(ただし2024年のCooperSurgical米国業務でERP導入に係るIT統制の弱点が指摘され、管理体制の強化が課題です)。また、政府からの製造拡大支援として2024年に約3,250万ドルの補助を受けるなど設備投資も進め、臨床教育やデジタル販促を通じた製品採用の加速を狙っています。