Vita Coco Company, Inc.COCO

時価総額
$30.8億
PER
ココナッツウォーターなどの機能性飲料事業の米国最大手。ヴィタココブランドでココナッツウォーター、ココナッツミルク、PWR LIFTを展開。2021年10月のIPO実施、2024年の米国で40%超シェア、英国で82%シェア。北米、英国、ドイツを中心に35か国超で展開。

事業内容

Vita Coco Company, Inc.はココナッツウォーターを中核に据えた飲料メーカーで、Vita Cocoという旗艦ブランドを通じて100%ココナッツウォーターやココナッツ由来のミルク、機能性飲料などを販売しています。同社は健康志向や植物由来のニーズに応える商品展開とブランドマーケティングで消費者との深い関係づくりを進めています。

同社の売上の大部分はココナッツウォーターが占め、主要な顧客はクラブストア、スーパーマーケット、コンビニ、ドラッグストア、eコマース、フードサービスなどの小売チャネルです。同社は自社ブランドによる小売販売に加え、プライベートラベル商品やバルク供給でも収益を上げており、直送や店舗直配(DSD)、倉庫向け出荷(DTW)、輸入業者や現地ディストリビューターといった複数の流通経路を市場に応じて使い分けています。

同社は事業を米州(Americas)と国際(Europe、アジア・太平洋など)の二つのセグメントで運営しており、米国と英国ではココナッツウォーターカテゴリーのリーダーです。製品ラインはVita Cocoブランドの複数品目(Pressed、Coconut Juice、Farmers Organic)、植物性ミルクやVita Coco Treats、そしてPWR LIFTのような機能性ドリンクや小売向けプライベートラベルを含み、生産は契約製造と多数の現地農家を活用する固定資産を持たない軽資産モデルで行っています。

経営方針

同社はココナッツウォーター市場のリーダーとして、カテゴリー拡大と収益基盤の強化を目指しています。具体的には、米国で過去52週の市場シェアが約40%超、英国では同じ期間で約82%と高い地位を確立しており(2024年末時点のCircanaデータ)、まずは既存ブランドの家庭浸透率をさらに引き上げるとともに、商品ポートフォリオの多様化で売上構成の偏り(現状で約96%がココナッツウォーター)を低減することを目標としています。資本配分面では、株主還元や資本効率改善のために最大4,000万ドルの自社株買い枠を設けており、2024年は約504,000株、1,200万ドルを買い戻すなど実行に移しています。

同社は差別化のためにブランドとサプライチェーン両面へ重点投資を行っています。マーケティングでは消費者教育やデジタル/インフルエンサー施策を強化し、商品面ではVita Coco Pressed、Farmers Organic、PWR LIFT、最近のVita Coco Treatsといった新商品開発に注力しています。サプライチェーンでは固定資産を持たない軽資産モデルを採用し、世界17工場(7か国)と複数のコパッカー網で調達と生産の柔軟性を確保、Tetra Pakなど主要パッケージ供給者との連携で包装効率と輸出性を高めることで、品質や持続可能性(オーガニック認証など)を差別化要因としています。

同社は海外展開と事業拡大を積極的に進めています。現在は35か国以上で販売しており、北米を軸に英国・ドイツなど欧州市場と中国向けにJebsenとの合弁(Coco Ventures)を通じた流通・ブランド展開を推進しています。小売向けのプライベートラベル事業は2016年開始で規模とサプライチェーン効率を高める戦略であり、卸・クラブ店・コンビニ・DTC(直販)など複数チャネルを使い分けて流通網を拡大する計画です。将来的には補完的ブランドや事業の買収も選択肢として検討していますが、買収実行時には資金調達や統合リスクを慎重に管理する姿勢を示しています。

同社は技術とガバナンス面での強化にも投資しています。財務報告の内部統制はCOSO基準に基づく評価で2024年12月31日時点で有効と結論づけられ、Deloitteによる監査を受けています。またサイバーセキュリティは外部のマネージドサービスと社内の「Technology Risk and Information Security Committee」で統制しており、年次の従業員トレーニングや異常検知ツールを導入しています。為替リスク管理では24か月のローリング手法で大半の予想為替暴露をヘッジする方針を採り、先物契約の名目額は2024年末で約1.074億ドル(2023年末は約1.21億ドル)、同年末の未実現損失は約820万ドル、米ドルが10%変動した場合の感応度は約190万ドルといった具体数値でリスクと対策を開示しています。