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CONMED CorpCNMD
事業内容
CONMED Corpは外科用医療機器を開発・製造・販売する企業で、特に低侵襲手術向けの器具や周辺機器に強みを持っています。同社は電気手術装置や止血・煙除去・吸引関連の製品、内視鏡用の診断・治療機器、患者モニタリング用品など幅広いラインを提供しています。
主な顧客は外科医、病院、手術センター、グループ購買組織(GPO)や統合医療ネットワーク(IDN)で、米国では6,000を超える医療機関へ直接販売しています。同社は販売代理店や現地子会社も活用し、2024年は海外売上が約43%を占めるなど収益を地理的に分散しており、特定の単一顧客に依存していません。
事業面では整形外科と一般外科を中核に据え、使い捨ての手術消耗品や電気手術(エナジー)製品、内視鏡周辺機器を主要製品群としています。AirSealやBuffalo Filterといったブランド製品に加え、胃腸・呼吸器向けの専用エネルギープラットフォームや心電・脳波用電極などのモニタリング製品も展開し、研究開発と買収を通じて製品ポートフォリオを拡充しています。
経営方針
同社は売上と利益率の持続的な拡大を目指しています。公開された明確な長期数値目標は示していないものの、売上は2022年の$1,045,472千から2024年に$1,307,015千へ増加しており、引き続き成長基調の維持と収益性改善を重視しています。資本政策としては、年間配当は四半期$0.20(通年$0.80、連結で支払総額は約$6.2百万)を継続しており、取締役会は総額$200百万の自社株買い枠を承認している点から、株主還元とバランスを取りながら成長投資を行う方針です。
研究開発や製品ラインへの重点投資により差別化を図っています。同社は研究開発費を2024年に$54.4百万(売上の約4.2%)投じており、基幹の整形外科(売上の約42%)と一般外科(約58%)にわたる幅広い製品群を強化しています。特に使い捨て製品が収益の多くを占め(全体で約85%、一般外科は約91%が単回使用製品)、据え置きの医療機器(装置)と消耗品の組合せで継続的な収益を確保することを差別化要素としています。加えて外科医との共同開発や直販・販売代理店網(国内6,000以上の医療機関への供給)を通じて顧客密着型の製品展開を続けています。
新市場開拓や事業拡大は、直接販売網の国際展開とM&Aを両輪で進めています。製品は100か国以上で販売され、2024年の国際売上は約43%を占めるため、現地子会社や代理店を通じた市場浸透を強化しています。加えて近年はIn2Bones(買収対価の即時支払$145.2百万+最大$110百万の成果連動支払)やBiorez($85.5百万)といった買収で足・足関節や生体材料などの分野を拡充しており、買収に伴う条件付き支払(コンティンジェント・コンサイダレーション)や負債管理を勘案しつつ製品ポートフォリオを拡大する計画です。一方で為替変動や国際規制、供給網リスクをヘッジ手法や多元的な調達戦略で緩和することも明示しています。
技術革新への取り組みは実務的で外科医連携に根ざしています。同社は臨床現場の提案を取り入れた製品改良を重視し、胃腸・呼吸器向けのエネルギープラットフォームや低侵襲手術用の撮像・内視鏡機器、各種内視鏡用器具などを開発しています。製造面では米国(Utica、Largo等)やメキシコ(Chihuahua)での生産体制を維持し、コスト改善と品質向上のために製造プロセス改善コンサルを導入するなど実行投資も進めています。規制対応(FDA、EU MDR等)への投資も続け、製品承認と市場導入のスピード確保を図っている点が技術面での特徴です。