CORE MOLDING TECHNOLOGIES INCCMT

時価総額
$1.7億
PER
熱可塑性・熱硬化性の構造用プラスチック成形を手掛ける有力企業。SMCや圧縮成形、射出成形による自動車・建機向け構造部品を展開。2022年7月にハンティントンと最大7,500万ドルの融資枠設定、2024年に自社株買い計画実施。米国・カナダ・メキシコで6拠点生産・販売。

事業内容

CORE MOLDING TECHNOLOGIES INCは、熱可塑性・熱硬化性プラスチックを使った構造部品の成形・販売を行うメーカーです。 同社は米国本拠で、米国・カナダ・メキシコに工場を持ち、トラックやパワースポーツ、建材など耐久性を求められる用途向けの大型部品を生産しています。

同社の売上は主要OEMに依存しており、BRP、International、PACCAR、Volvo、Yamahaといった数社で大半を占めます。 売上は主に米ドル建ての受注・契約に基づくため、主要顧客の動向や新規受注の獲得が業績に直結します。

同社は単一の報告セグメントで事業を運営し、シート成形材料(SMC)の製造とそれを用いた圧縮成形、樹脂移送成形、射出成形による製品ラインが中心です。 構造用プラスチックは金属に比べて軽量で腐食に強く、設計の自由度や部品統合によるコスト削減を訴求しており、顧客との設計協働やSMCの他社販売も行っています。

経営方針

同社は安定した収益基盤の維持と慎重な成長を目指しています。2024年の連結売上高は約3億2千万ドル(うち製品売上が約2億9,100万ドル)で、主力市場である北米トラックが売上の約56%を占めています。経営陣は顧客の需要変動を踏まえ、2025年前半は2024年比で売上が5〜10%減少すると見込みつつ、通年では前年比横ばいを見込んでおり(製品売上と金型売上の構成比の変化を想定)、資本配分では株式買戻しプログラム(上限7,500,000ドル)による株主還元を進めながら財務の健全性を維持する方針です。

同社は製造効率と競争力向上に重点投資を行っています。主に圧縮成形や射出成形などの成形設備(計82台の成形プレス)と金型投資に資金を配分し、工具や設備への投資を通じて歩留まり改善や納期遵守を図っています。設備投資の資金源としては、最大7,500万ドル枠(タームローン、設備投資ローン、リボルビングを含む)を用意しており、実際の長期借入は約2,170万ドル(ハンティントン系)となっています。構造用プラスチックの軽量性や耐食性、設計自由度を生かし、金属部品からの置換や部品集約化で差別化を図っています。

同社は既存顧客のプログラム獲得や新規市場開拓を通じて事業を拡大しようとしています。具体的には、既存サプライヤーからのリソース移管やOEMの入札での受注、従来の用途外への提案、新素材や工程の開発、買収を含む外部成長機会の追求を継続しています。実務面では北米、メキシコ、カナダの6拠点を活用して生産配置を最適化し、短期的には四週間分の出荷見込み(約1,910万ドル)を管理して需要変動に対応します。一方でボルボ向けの一部プログラム移行など顧客構成の変化もあり、同社は受注ミックスの変化に備えながら新規プログラムの立ち上げを計画しています。

同社は技術革新と製造プロセスの高度化に取り組んでいます。研究開発費は2024年で約190万ドルと、量産設備を活用した実践的な開発投資を継続しており、シート状の複合材料(SMC)の配合管理や金型内コーティングなど表面品質や工程安定性を高める技術を実装しています。新規プログラムでは金型と工程検証、従業員教育が重要であると認識しており、立ち上げ時の非効率を短縮するための工程設計とトレーニングにも資源を割いています。環境面では全拠点でISO 14001に基づく管理体制を整備し、品質とコンプライアンスを両立させることで長期的な競争力強化を目指しています。