- 米国企業
- CLOROX CO
CLOROX COCLX
ランドスケープPowered by 会社四季報オンライン
- 企業概況
- (121文字)
- 業績概況
- テーマ
- (1項目)
- ブランド
- (4項目)
- ライバル企業
- (4社)
- 同業種の日本企業
- (5社)
事業内容
CLOROX COは家庭用・業務用の生活必需品を製造・販売する企業で、漂白剤や洗剤を中心とした清掃用品のほか、袋・ラップ、キャットリッター、調味料やドレッシング、浄水器、ナチュラルパーソナルケアなど幅広い消費財を取り扱っています。代表的なブランドにはClorox、Glad、Hidden Valley、Brita、Burt’s Bees、Pine-Sol、Fresh Stepなどがあり、日常消費に根ざした商品群を展開しています。
同社の収益は多数の小売チャネルを通じて生まれており、米国では大手量販店や食品スーパー、倉庫型店、ディスカウントストア、ホームセンター、軍需店、そしてECが主要な販売先です。販売先の集中度は高く、最大顧客であるウォルマート向け売上が約25%を占め、上位5社でほぼ半分の売上を構成しています。
事業面では米国内向けと国際向けに販売され、製品ライン別では清掃用品が約43%、袋・ラップが約15%、食品が約11%、キャットリッターが約10%といった構成比になっています。業務用・医療機関向けの消毒製品やプロフェッショナル向けチャネルも持ち、原材料や輸送コストの変動に敏感なビジネスモデルである点が投資判断で注意すべきポイントです。
経営方針
同社は「IGNITE」と呼ぶ成長戦略を掲げ、長期的かつ収益性の高い成長を目指しています。具体的には家庭用洗剤や除菌製品を中心とする既存ブランドの強化に加え、イノベーションの加速や商品ポートフォリオの再構築を進めています。製品構成では清掃用品が売上の約43%を占め、袋・ラップ類が約15%、食品が約11%、猫砂が約10%といった比率が示されており、安定した基幹カテゴリーを軸に成長を図っています。加えて、配当継続や自社株買い制度(公開されている買戻し可能額は約9.93億ドルの枠が示されています)を通じて株主還元も重視しており、格付けも投資適格水準を維持しています。
同社は差別化のために「強いブランド」「製品性能」「流通力」を組み合わせる投資を重視しています。広告・販促投資や商品開発への資源配分に加え、原材料コスト変動に備えたフォワード購入契約や長年続くコスト削減プログラムで原価低減と製造効率の改善を図っています。グラッド(Glad)事業にはプロクター・アンド・ギャンブルからの研究支援があり、主要ブランドの知的財産保護や品質管理を通じて差別化を維持しています。こうした施策により、同社は競合の低価格ブランドに対してブランド力で対応することを目指しています。
同社は新市場開拓と事業再編にも積極的で、国際展開は子会社・ライセンシー・ジョイントベンチャーを通じて進めています。最近ではアルゼンチン事業の売却(2024年3月完了)や、健康補助食品(Better Health VMS)事業の売却予定(2025会計年度第1四半期の完了見込み)などポートフォリオの最適化を進めており、必要に応じて買収や合弁投資も検討しています。一方で主要顧客への依存度は高く、最大顧客であるウォルマート向け売上が約25%を占めるなどチャネル戦略の最適化も継続課題として認識しています。
同社は技術革新に向けて多年度のデジタル基盤強化を実行中で、基幹業務システム(ERP)の刷新を含むクラウド移行やデジタル化で業務効率化を図ろうとしています。基幹システムの入れ替えは2025〜2026会計年度にかけて段階的に実施予定で、これにより在庫管理や受注処理、財務報告の効率向上を目指しています。加えて、2023年8月のサイバー攻撃を受けて外部専門家の活用やセキュリティ対策の強化、事業継続計画の整備を進めており、認知度の高い脆弱性対策フレームワークに基づく運用と保険なども導入してリスク低減を図っています。