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Cigna GroupCI
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事業内容
The Cigna Groupは世界的なヘルスケア企業で、主に医療保険と医療関連サービスを提供しています。同社は企業向け・個人向けの保険給付に加え、薬局給付管理や専門薬サービス、ケアコーディネーションなどを軸に、顧客の健康管理と医療コストの最適化に取り組んでいます。
主な顧客は大企業や保険契約者、米国政府機関、医療提供者などで、収益は保険料収入とサービス手数料、薬剤管理の手数料が中心です。同社は単一の大口薬局給付顧客が約16%の売上を占める一方、米連邦政府向けの売上も年によって約11〜15%を占めるなど、大口顧客や公共部門が収益に影響します。
事業は大きくEvernorth Health ServicesとCigna Healthcareに分かれており、前者は薬局給付(処方請求の精算、ネットワーク管理、在宅配薬や専門薬)とケア支援を担います。同社のCigna Healthcareは米国および国際の健康保険を扱い、雇用主向けプランやメディケア等の保険商品で給付を提供し、両プラットフォームを組み合わせて顧客ごとの総合的なソリューションを展開しています。
経営方針
同社は二つの成長プラットフォーム—Evernorth(薬局関連・専門ケア)とCigna Healthcare(医療保険)—を軸に、持続的な基盤成長と加速的成長を同時に追求しています。2024年の調整後売上高は約2471億ドル、調整後営業利益は約77.4億ドルであり、これらの基盤を活かして収益拡大とキャッシュ創出を図っています。株主還元と資本配分にも重点を置いており、2024年末から取締役会は自己株式取得枠を拡大し、2025年2月時点で約94億ドルの残余買戻し枠を確保しています。同社はこうした数値目標と資本政策を通じて、長期的な利益率向上を目指しています。
同社は投資の重点分野として、薬局給付管理(PBM)、専門医薬品・ケアサービス、医療費の価値向上に注力しています。具体的には薬局関連の売上が前年比で約35%増加したことや、Evernorthの税前調整利益が約70.0億ドルに達している点からも、薬局・専門ケアが収益重心であることが分かります。差別化は臨床知見と長期データの活用、医療提供側とのパートナーシップ(例:EviCoreなど)や「適切な受診場所」を促す施策、遠隔診療サービス(MD Live)を組み合わせることで実現しており、これらにより顧客ごとに最適化されたコスト抑制と治療成果の改善を目指しています。
同社は新市場や事業再編にも積極的で、非中核事業の売却や戦略的取引を通じた再編を進めています。例として、2024年1月に公表した米国のメディケア関連事業のHCSCへの売却は、当初買収額3.3億ドル(最終的見積で約4.7億ドルに増加)を想定し、2025年第一四半期の完了を目指しています。一方で買収・ジョイントベンチャー投資のリスクも認識しており、VillageMD投資ののれん減損で約27億ドルの損失を計上したように、統合失敗や期待未達は財務に影響するため、同社は統合プロセスとリスク管理を強化しながら事業拡大を進めています。なお、のれん・無形資産の簿価は約738億ドルで総資産の約47%を占めるため、将来の業績達成が重要です。
同社は技術革新に積極投資し、データ解析とデジタル機能の強化を通じてサービスの差別化を図っています。2024年の販売・一般管理費は横ばいながらデジタル能力やソリューション開発への戦略投資が約3%増加しており、薬剤評価やデジタル治療の効果検証、処方の適正化を支える分析基盤に資源を割いています。さらに、遠隔診療の普及やAI・自動化の導入で運用効率を高める一方、複数事業の統合に伴うシステムや内部統制の複雑化にも対応するため、管理体制とサイバー・コンプライアンスへの投資も強めています。同社はこれらの技術的基盤を通じて、顧客体験の改善と医療コストの持続的な引き下げを目指しています。