CHEMUNG FINANCIAL CORPCHMG

時価総額
$2.9億
PER
預金・貸出・資産運用などの金融サービスの有力企業。商業・住宅ローンや信託・投資顧問(WMG、24年手数料0.3百万ドル)を展開。NASDAQ上場(CHMG)と23年12月1日に報酬回収方針採用。ニューヨーク州中心に展開。

事業内容

CHEMUNG FINANCIAL CORPは地域密着型の持株会社で、傘下の銀行と資産管理部門を通じて幅広い金融サービスを展開しています。同社は当座・普通・定期といった預金の受入れや、商業・住宅・消費者向けの各種貸出、信託・資産運用、保険や証券仲介などを主力サービスとしています。

同社の主要な顧客は個人、地元の中小企業、自治体などで、地域の預金を原資に貸出や有価証券投資を行うことで収益を上げています。収益構造は貸出金利とそれに伴う手数料、投資証券の利息、資産管理(WMG)による手数料収入が中心で、預金金利や給与などが主な費用です。

事業は大きくコアバンキングと資産管理・信託の二つのセグメントに分かれており、コアバンキングは預金の集積を通じて商業用融資、不動産ローン、住宅ローン、カーローンなど多様な貸出を行っています。資産管理部門は信託や投資助言、金融商品仲介を通じて手数料収入を獲得し、同社は低コスト預金の獲得と対面での関係構築を重視して事業を進めています。

経営方針

同社は地域密着型のコミュニティバンク・モデルを基本とし、安定した低コストの預金を集めて質の高い貸出に振り向けることで着実な成長を目指しています。具体的には当面の資本還元策として、最大250,000株(発行済株式の約5%)を上限とする自己株式取得プログラムを導入しており、これまでに49,184株を平均取得単価40.42ドルで買い戻しています。また配当は原則として銀行からの配当受領に依存しており、州法や監督当局による制約のもとで支払い可否が判断されるため、資本維持を重視した配当政策を採っています。

同社は地場の関係性を差別化要因と位置づけ、融資ポートフォリオの多様化を進めることで競争力を高めています。商業・産業向けローン、商業用不動産、住宅ローン、住宅ローン担保型の融資、消費者ローン、間接自動車ローンなどをバランスよく組成し、審査は関係担当者が当事者として行う「対面決裁」方式を採用しています。信託・資産管理を担うWMG部門(信託・資産管理部門)の手数料収入も伸長しており、2024年は約30万ドルの収入を計上しているほか、人材確保のため2021年株式報酬制度を通じて報酬面の整備(同制度に基づく年間費用は2023・2024年ともに約120万ドル)を行っています。

新市場開拓や事業拡大は、買収による成長を選択肢にしつつ慎重に進める方針です。買収候補は市場の経済性、既存業務への統合のしやすさ、資本・収益性への上乗せ効果を重視して評価され、条件が整えば支配的取得や支店網の拡大を検討します。住宅ローンの二次市場向け組成や信託サービスの顧客獲得強化など、既存のコア業務から関連分野を拡大する施策も明示されており、地域内での預金基盤を生かして収益源を多角化する計画をとっています。

同社は技術革新と情報セキュリティに対しても投資を強めています。全社的な情報・サイバーセキュリティ・プログラムを整備し、取締役会の下のEnterprise Risk Committee(リスク委員会)が監督を行い、外部の評価機関によるSOC報告や侵入テストを含む第三者リスク管理を実施しています。また業務効率化のための自動化を進める一方で、金利変動への感応度が比較的高いことを踏まえ、資産負債管理のために限定的なデリバティブ使用やヘッジ戦略を運用方針に盛り込み、内部統制・開示手続きの有効性を2024年12月31日現在で確認しています。これらの取り組みにより、同社は地元密着の強みを維持しつつ、安定的で規律ある成長を目指しています。