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CHECK POINT SOFTWARE TECHNOLOGIES LTDCHKP
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事業内容
CHECK POINT SOFTWARE TECHNOLOGIES LTDは、企業や組織向けにサイバーセキュリティ製品とサービスを開発・販売する企業で、ネットワーク、クラウド、端末、IoTなどを多層で防御する統合プラットフォーム「Infinity」を中核に展開しています。同社は統合管理コンソールと単一のエージェントで複数の防御機能を一元管理し、リアルタイムの脅威情報と自動更新で検知と対応の効率を高めています。
同社は大企業、通信事業者、サービスプロバイダー、中小企業や個人顧客まで幅広く販売し、製品は主に代理店やディストリビューターなどのチャネルパートナー経由で流通しています。収益はアプライアンスやソフトウェアの販売収入と、セキュリティサブスクリプションや保守・更新による継続収入が混在しており、地域別では欧州・中東・アフリカが約47%、米州が約42%、アジア太平洋が約11%を占めています。
事業面では、一体型のセキュリティ装置(ハードウェア+ソフト)とソフトウエアライセンス、クラウド型の継続サービス(サブスクリプション)、および保守・サポートが主力の製品ラインです。近年はクラウドやゼロトラスト、外部サービスの保護や脅威情報の強化に注力し、買収などで得た技術を統合プラットフォームに組み込みながら製品群を広げています。
経営方針
同社は安定的な成長と株主還元の両立を目指しています。現金・現金同等物と短期有価証券を合わせた流動性は2024年12月末で約27.8億ドルあり、2024年の営業キャッシュフローは約10.5億ドルと堅調です。これらの資金を用いて、2024年には約13億ドルの自社株買いを実施し(年内で約770万株、平均取得単価171ドル)、取締役会は四半期ごと最大3.25億ドルのペースでの買い戻しを想定、さらに同年7月に買い戻し枠を20億ドル拡張しました。加えて買収にも注力しており、2024年は買収に約1.86億ドルを支出しています。こうした資本配分を通じて、同社は利益性を維持しつつ製品ポートフォリオとサブスクリプション収入の拡大を図ろうとしています。
同社は製品差別化のために「統合された単一管理基盤」を重視しています。Infinityと呼ばれる統一アーキテクチャを中核に、ネットワーク、エンドポイント、クラウド、SaaSなどの領域を一つの管理コンソールで運用できる点を差別化要因としています。研究開発人員は約1,955名を擁し、開発力を維持していますし、開発者向けセキュリティのSpectral(2022年買収)、SaaSセキュリティのAtmosec(2023年)、ゼロトラスト/SSE領域のPerimeter 81(2023年、買収対価約5.03億ドル)、外部リスクと脅威情報のCyberint(2024年、買収対価約1.89億ドル)といった戦略的買収で技術と製品ラインを補強しています。同社はこれらの投資により「一貫した運用性」と「リアルタイムの脅威情報」を武器に差別化を図ろうとしています。
同社は新市場開拓と事業拡大を買収とチャネル強化で進めています。Perimeter 81買収によりSecure Access Service Edge(SASE)やセキュリティサービスエッジ(SSE)分野への本格参入を図り、rmsourceの買収でマネージドサービス(運用支援)分野にも足場を築きました。地域別売上は2024年で欧州・中東・アフリカが47%、米州が42%、アジア太平洋が11%と分散していますが、販売の約56%は上位10チャネルパートナー経由であり、同社はパートナー網を活用して新規顧客やサブスクリプションの拡大を狙っています。ただし販売集中のリスクも認識しており、買収とサービス化でチャネル依存の軽減を図る計画です。
同社は技術革新を継続的な研究開発と選択的買収で推進しています。具体的には、開発者のコード安全を支援するツール、SaaSの不正連携や設定ミスを迅速に発見する技術、クラウドおよびエンドポイントを統合するゼロトラスト型のアクセス制御などを製品化しています。買収で獲得したコア技術は、買収時に無形資産として評価され、事業統合を通じてInfinityプラットフォームに組み込むことで付加価値を高める方針です。こうした取り組みにより、同社は「企業の全体的なセキュリティを一元的に提供する」ことを目指し、製品の差別化と収益の安定化を図ろうとしています。