CULLENCFR

時価総額
$79.5億
PER
商業・消費者向け銀行業と資産管理の大手。富裕層向けプライベート信託と証券仲介サービスを展開。2024年1月24日に1億5000万ドルの自社株買い枠承認、2024年に5000万ドル買戻し。テキサス州のオースティン、ダラス、ヒューストン等で展開。

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企業概況
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同業種の日本企業
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事業内容

CULLENはテキサス州を中心に銀行業と資産運用サービスを展開する金融持株会社です。同社は商業・個人向けの貸出や預金、現金管理を主力に、保険仲介や富裕層向けの資産管理、証券仲介といった幅広い金融サービスを提供しています。

主要顧客は州内の企業や個人で、オースティン、ダラス、フォートワース、ヒューストン、サンアントニオなどの地域拠点を通じて地域密着で取引しています。同社の収益は貸出金利と預金の利ザヤが中心で、資産運用や保険仲介などの手数料収入や銀行子会社からの配当も重要な収入源です。

事業は大きく銀行部門と富裕層向けの資産運用部門に分かれており、銀行部門は商業融資や消費者融資、保険仲介を扱い、資産運用部門は信託、退職口座、個人資産管理や証券仲介を担当しています。同社は地域ごとに同一の商品ラインを展開して地元密着の顧客対応を重視し、親会社の非銀行部門は主に子会社の所有や資本管理を行っています。

経営方針

同社は安定的かつ着実な成長を重視する経営戦略を掲げています。具体的には、地域密着の預貸業務や資産運用手数料を主力としつつ、株主還元では2024年の配当性向が42.1%であった点や、2024年に取締役会が承認した総額1億5,000万ドルの自己株買い枠の下で49万弱(489,862)株・5,000万ドルを取得したことに代表されるように、配当と自社株買いを組み合わせて総合的にリターンを追求しています。また、確定給付年金の資産運用では、長期期待収益率を5.70%と設定し、年次の給付予定(2025年に約1,208万ドル、2026年に約1,202万ドルなど、2030〜2034年で約4,919万ドル、合計で約1億8万ドル)を踏まえた資金計画を運用しています。

重点投資分野では、まず伝統的な銀行業務(法人向け貸出、個人向け貸出、預金)とウェルス事業(信託・資産管理・証券仲介)を核に据えています。年金資産の目標配分は概ね債券64%、株式31%で、資産配分最適化モデルを四半期ごとに用いてリスクとリターンを調整するなど、安全性と収益性の両立を図っています。差別化要因としては、オースティン、ダラス、ヒューストン、サンアントニオなどテキサス内の地域別ネットワークを生かした顧客関係の深耕、平均勤続年数9.3年(役員は約30.4年)という人材の安定性と「誠実さ・思いやり・卓越性」を掲げる企業文化が挙げられます。

新市場開拓や事業拡大については、同社は主にテキサス州内の既存地域でのシェア拡大や、文化的な相性と経営陣の経験を重視した買収を通じた成長を志向しています。買収候補は管理体制や財務面での健全性を慎重に評価し、必要に応じて株式発行や資本調達(例:2020年に発行したシリーズB優先株で1億5,000万ドルの調達、純額約1億4,550万ドル)や自己株買いを資本政策に組み入れて対応します。ただし買収は規制当局の承認が必要であり、与信管理や大口債権の監督強化など、リスク管理を併せて進める方針です。

技術革新への取り組みでは、サイバーセキュリティを中核に据え、情報セキュリティ責任者がリスク管理組織の一員として最高リスク責任者へ報告し、取締役会の技術委員会にも定期報告する体制を整えています。外部の脅威情報や第三者監査、業界基準(NISTフレームワーク等)を活用してインシデント対策を強化するとともに、クラウドや自動化、人工知能などの技術導入を進めながらも、これらの導入が与える内部統制への影響を評価して慎重に実装しています。フィンテック等の競合に対応するための投資を継続すると明言しており、技術とガバナンスの両面で競争力を高める戦略です。