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Crestwood Equity Partners LPCEQP
事業内容
Crestwood Equity Partners LPは、原油、天然ガス、天然ガス液(NGL)に関わる中流インフラを保有・運営する企業です。同社は生産地での集荷、ガス処理、貯蔵、廃水処理、そしてパイプラインや鉄道・トラックによる輸送といった一貫した中流サービスを提供しています。
顧客は主に生産会社、製油所、販売会社、電力会社などで、収益は長期契約に基づく手数料型と取引条件や数量に応じた変動型が混在しています。同社は主要なシェール地帯に近接した資産を持ち、季節変動や掘削活動の影響を取り込みつつ安定したキャッシュフローの確保を目指しています。
事業は大きく三つのセグメントに分かれており、北部の集荷・処理ではウィリストン盆地やパウダーリバー盆地でのガス集荷、圧縮、処理、原油集荷・貯蔵や生産水処理を担当しています。南部の集荷・処理はデラウェア盆地などで同様のサービスを展開し、ペルミアン関連の出資案件も組み込んでいます。貯蔵・物流セグメントはNGLや原油、天然ガスの貯蔵・ターミナル運営、販売と輸送を通じて市場への供給を支えています。
経営方針
同社は長期的な価値創出と配当の安定化を目指しています。具体的には、採算の合う成長プロジェクトを見極めて資本を投入し、営業マージンとキャッシュフローの改善によって投資家還元を強化する方針です。2022年にはオアシス社買収(約18億ドル)やセンドロ社買収(約6.3億ドル)、CPJV関連の取引などを通じて規模拡大を進め、2022年6月末時点で非関係者保有の普通株の時価総額は約17億ドルとなっており、M&Aと資本効率向上を成長の主要手段としています。ただし、新規投資は資本調達環境に依存するため、同社は合理的な資本コストで調達することを重視しています。
同社は重点的に原油・天然ガスおよび液体燃料の集荷・処理・貯蔵・輸送分野に投資しています。ウィリストンやパウダーリバー、デラウェアといったシェール採掘の主要盆地に資産を集中させ、地域での接続性や需要への近接性を差別化点としています。顧客との契約や長期的な顧客関係を重視し、買収時に顧客関係の価値を評価(オアシス買収では顧客関係の無形資産評価が約4.64億ドル)することで、安定したスループット獲得と高い稼働率を実現することを目指しています。
同社は新市場開拓と事業拡大を、設備建設と戦略的買収・合弁で進めています。必要に応じて集荷系統や処理設備、貯蔵・物流施設(鉄道やターミナル等)を建設し、スループット最大化を通じて投資回収を図ります。一方で、設備建設は顧客の採掘活動や規制対応に左右されるため、同社は顧客の利用確約や政府許認可の確保、共同出資の活用などを具体策として掲げ、成長案件がキャッシュフローに与える影響を慎重に管理しています。
同社は技術革新や環境対応を経営の重要課題と位置づけています。具体的には炭素管理やメタン排出低減を進め、2023年の短期インセンティブにはメタン強度目標0.040%を組み込み業績連動で達成を促しています。投資判断や買収評価では割引現在価値分析や感度分析を用い、外部の評価会社と連携して公正価値評価を行うことで意思決定の精度を高めています。運用面ではスループット最適化や資本支出管理のためのデータ活用も強化しており、環境・財務両面での持続的改善を目指しています。