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Celsius Holdings, Inc.CELH
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事業内容
Celsius Holdings, Inc.は、運動や健康志向の消費者をターゲットにした機能性エナジードリンク「CELSIUS」ブランドを中心に展開する飲料メーカーです。同社はカロリーや糖分に配慮した製品設計と多様なフレーバーで、フィットネスや日常のパフォーマンス向上ニーズに応えています。
主な顧客はスーパーマーケット、コンビニエンスストア、フィットネスクラブなどの小売チャネルおよび最終消費者で、売上の大部分はCELSIUS製品の販売から生じています。同社は米国内でペプシとの流通提携を活用しており、この提携が販路拡大の基盤である一方で提携先依存による収益の集中リスクも抱えています。
事業は地域横断で統合的に運営され、同社は単一の報告セグメントとして管理しています。製品ラインは複数のフレーバーや容器形態(炭酸・非炭酸の缶など)を含み、最近はBig Beveragesの買収により自社製造能力を強化してサプライチェーンの柔軟性と製品開発のスピード向上を図っています。
経営方針
同社は中長期での売上拡大と国際展開を成長の中心に据えています。2024年の売上高は約13.56億ドルで前年から2.9%増加しており、北米は1.4%増の12.81億ドル、欧州は41.1%増の6,169万ドルと地域ごとの伸びに差が出ています。経営陣は流通ポイントや棚割り、1店舗あたりのSKU拡大を通じて販売基盤を強化し、業績拡大につなげることを目指しています。インセンティブ面でも国際売上目標に連動する業績連動株式(PSU)を設定しており、特定の国際収益目標を達成することで追加の株式が権利確定する仕組みを採っています。
同社はブランド差別化と販促投資を重点分野と位置づけています。2024年はマーケティング投資を約6,150万ドル増やし、デジタルやイベント、商品イノベーションによる認知拡大に注力しました。流通面では世界的大手のパートナーであるPepsiとの協業を最大限に活用して小売チャネルやフィットネス施設への浸透を図る一方、Pepsi集中リスクを軽減するために流通チャネルの多様化も進めています。製品面では機能性飲料としての訴求力を高め、新フレーバーやフォーミュレーションを迅速に市場投入することで他社との差別化を図っています。
事業拡大では自社生産能力の確保と現地適応を重視しています。2024年11月に缶飲料のコーパッカーであるBig Beveragesを買収(暫定対価約7,530万ドル)し、国内での製造・倉庫能力を取り込みました。同社はこれによりサプライチェーンのコントロール強化、革新サイクルの短縮、製造柔軟性の向上を図ることを目指しています。また、新規市場参入に際しては現地消費者嗜好の調査と規制対応を重視し、地域の規制コンサルタントと連携して法令順守を確保する方針です。
技術・運用面では内部統制と情報セキュリティの強化を戦略的に進めています。2023年に指摘された収益認識や在庫管理に関する弱点は、プロセス改善と承認フロー強化、方針整備、従業員教育を通じて2024年末に解消され、外部監査人により内部統制の有効性が確認されました。サイバー対策ではCFOやIT、法務を含む委員会を設置してリスク管理を行い、原材料コスト変動対策としてはアルミニウム等を12か月契約で固定するなどコスト管理も実務的に実施しています。こうした運用改善により2024年の粗利益率は50.2%まで改善しており、収益性向上と成長投資の両立を目指しています。