COMMERCE BANCSHARES INCCBSH

時価総額
$72.5億
PER
総資産320億ドル(2024年12月31日)の金融サービスの大手。小売・商業銀行、資産運用、証券仲介、住宅ローン、信託、商業決済を展開。2023年第2四半期にL.J. Hart & Companyを買収。ミズーリ、カンザス、中央イリノイ、オクラホマ、コロラドを中心に約243拠点で展開。

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事業内容

Commerce Bancshares, Inc.は地域密着型の銀行持株会社で、ミズーリ州カンザスシティを拠点に中西部を中心に銀行業務を展開しています。同社は預金、貸出、決済サービス、住宅ローン、信託・資産運用、証券仲介など幅広い金融商品とサービスを主力に事業を行っており、2024年末時点で総資産は約320億ドル、融資残高は約172億ドル、預金は約253億ドルです。

同社の主要顧客は中小企業から大企業までの商業顧客と個人顧客、富裕層の資産管理顧客で構成されています。収益は主に貸出による利息収入と、決済・資産運用・住宅ローンやブローカー業務などの手数料収入で成り立っており、2024年の税前利益は商業47%、消費者31%、ウェルス22%の貢献比率でした。

事業は「Commercial(商業)」「Consumer(消費者)」「Wealth(富裕層向け)」の3セグメントで管理しています。商業セグメントは法人向け貸出やカード・決済・キャッシュ管理を中心に、消費者セグメントは支店ネットワークを通じた預金や個人向けローン・住宅ローンを扱い、ウェルスセグメントは信託・投資助言・ブローカー業務で資産管理を行っています。地域ごとの専門チームと支店網で地元企業や個人との長期的な関係構築に注力しています。

経営方針

同社は地域密着型の「スーパー・コミュニティ銀行」として、安定した成長と株主還元の両立を目指しています。2024年末時点で連結資産は約320億ドル、貸出残高は約172億ドル、預金は約253億ドル、自己資本は約33億ドルを有しており、主要市場であるカンザスシティでは預金シェア約10%、セントルイスで約7%の地位を築いています。収益の柱は利息収入で、2024年は総収入の約63%を占め、また57年連続で配当を増配するなど安定した配当政策を維持している点も成長戦略の重要な要素です。

重点投資分野としては、商業銀行業務と資産運用・富裕層向けサービス、商業決済ビジネスに重点を置いています。2024年の税引前セグメント寄与度は商業が47%、消費者が31%、ウェルス(資産運用等)が22%で、同社は大手が持つ商品力と地元の深い顧客理解を組み合わせた差別化を行っています。具体的施策としては、業界別の専門バンカー配置や地域アドバイザリーボードの活用、2023年の地方債引受会社の買収(L.J. Hart)などを通じて、専門性と商品ラインの拡充を図っています。

新市場開拓や事業拡大は、既存の中西部基盤を起点に選択的に進められています。同社は支店網として142の支店(支店・ATMを合わせると約243拠点)を中核に保ちつつ、ダラス、ヒューストン、シンシナティ、ナッシュビル、デモイン、インディアナポリス、グランドラピッズ、ネイプルズなどにオフィスを設置し、商業・ウェルス分野の顧客獲得を全国展開する商業決済営業で補完しています。将来的な成長は、文化的に相性の良い中小金融機関の買収や、選別された地域でのオーガニックな拡大により実現する計画です。加えて、自己株買いは2024年に290万株を取得し、取締役会承認の買戻し枠は最大500万株で運用している点も資本配分の一端です。

技術革新への取り組みでは、情報セキュリティと金利・流動性管理への投資を最優先にしています。情報セキュリティ戦略委員会が全社リスク管理の一環としてサイバー対策を監督し、多層的な防御や従業員向けの訓練、臨床演習や外部監査を実施しているほか、資産・負債管理委員会が金利変動に対するシミュレーションや時価分析を月次で行い、純利息収入の安定化を図っています。これらの取り組みにより、規制対応と顧客データ保護を両立させつつ、商業決済やデジタルチャネル等の成長領域を支える基盤を強化しています。