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CATERPILLAR INCCAT
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事業内容
CATERPILLAR INCは世界的に建設・鉱山・エネルギー分野向けの重機や大型エンジン、発電設備、鉄道車両などを設計・製造・販売する企業です。機械本体の販売に加えて部品供給、保守・点検や再製造(リマニュファクチャ)、機械管理のためのソフトウェアやデジタルサービスも展開しています。
同社の主要顧客は建設業者、鉱山・資源会社、発電や石油・ガス事業者、鉄道事業者などの法人で、世界各国に広がる独立ディーラーネットワークを通じて販売しています。収益は新機械の販売だけでなく、部品・サービス収入、整備や再製造による収入、さらにグループの金融・保険部門による販売金融や保険収入が柱になっています。
事業は主に建設向け、資源・鉱山向け、エネルギー&輸送向け、金融サービスなどのセグメントに分かれ、各セグメントが製品の設計・生産・販売とアフターサービスを担っています。加えてグローバルな部品配送拠点、リマニュファクチャ施設、各国の技術・研修センターを通じて製品供給と顧客サポート体制を支えています。
経営方針
同社は堅実な財務基盤を維持しながら持続的な成長を図ることを目指しています。2024年の売上高は約648.1億ドル、営業利益率は20.2%(調整後20.7%)、1株当たり利益は22.05ドルでした。短期的な現金配分では、格付けを支える「ミッドA」水準の強固な財務体質を最優先とし、事業運営資金の確保、成長投資、株主還元(配当と自社株買い)を順に重視すると明示しています。実際に2024年は財務活動で約114.2億ドルを使用し、その主因は自社株買いと債務返済であり、取締役会は2022年に150億ドル、2024年に200億ドルの買戻し枠を承認、2024年末時点で約201億ドルの余地が残っています。
同社は成長投資の重点分野として製品ライン拡充、サービス(アフターサービスとリマニュファクチャリング)および持続可能性対応に注力することで差別化を図っています。製造と部品供給を支える世界的な販売代理店網(米国41店、国外111店、187か国をカバー)を活用し、総所有コストを下げる高品質・高耐久の機械と幅広い部品・サービスをセットで提供することを競争優位としています。設備投資は2024年に約19.9億ドルを投じ、Machinery, Energy & Transportation(ME&T)分野の2025年の資本支出は約25億ドルを見込んでいる点も、供給能力と技術投資の両面で差別化を支えます。
新市場開拓や事業拡大では、買収や事業再編を通じたターゲット投資を想定しており、流動性と借入余力を用いて「付加価値の高い領域」へ資本を配分する方針です。具体的にはサービス提供の拡大、持続可能性関連のソリューション、電化やゼロエミッション技術に関連する事業、さらにフリート管理や遠隔監視、自治運転といったソフトウェア・サービス分野の拡大を掲げています。過去には事業切り離し(例:2023年のLongwall事業の売却、2024年の一部海外法人の売却)を実施しており、非中核資産の見直しと新分野への再配分を進めています。金融面ではCat Financialなどを通じて顧客向けの購入ファイナンスを提供し、市場拡大を後押ししています。
技術革新への取り組みでは、米国のAuroraやMossville、中国のWuxi、インドのChennaiなどにある技術センターを拠点に、電動化、自律運転、フリート最適化といった次世代技術に投資しています。同時に排出ガス規制対応や製品の信頼性向上を重視し、ソフトウェアやシステム開発、サイバーセキュリティ対策にも注力しています。長期契約やシステム支援、ソフトウェアライセンス等の契約は総額で約16.3億ドルにのぼり、そのうち次の12か月で約7.62億ドルが支払期限に達するなど、技術・デジタル投資を継続的に実行する体制を整えています。