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CrossAmerica Partners LPCAPL
事業内容
CrossAmerica Partners LPは、主にモーター燃料の卸売と、ガソリンスタンド兼コンビニエンスストア用不動産の所有・賃貸・運営を行う企業です。同社はブランド付き燃料の供給と配送を行い、併設する店舗で燃料と日用商品を販売しています。
主要な顧客は独立系のスタンド運営者や委託運営者、そして一般の来店客で、収益は燃料の卸売り収入、店舗での物販・燃料販売、そして物件の賃貸収入で構成されています。同社は供給契約や賃貸契約を通じて継続的な現金流を生み出しています。
事業は大きく卸売、リテール(自社運営店と委託運営店)、不動産保有のセグメントに分かれています。卸売部門は燃料の大量供給と配送に注力し、リテール部門は自社運営と委託運営の双方で燃料とコンビニ商品を販売し、不動産部門は立地を生かした賃料収入を得ています。
経営方針
同社は投資家に安定した四半期配当を支払い、長期的に増配していくことを成長の中心目標としています。その手段としては買収による外形拡大を最優先に据えており、IPO以降(2025年2月21日まで)で約1,000件の土地・リース物件と約700件の卸供給契約を合わせて約15億ドルで取得してきました。2024年の資本支出と買収の合計は約5,184万ドルで、その内訳は維持投資が約828.7万ドル、成長投資が約1,803.1万ドル、Applegreen関連のリース解約等で約2,551.7万ドルとなっています。資金面ではCAPLクレジット・ファシリティを主な資金源とし、同ファシリティは2028年3月31日に満期となるため、借入や資本市場の状況が成長の実行可能性に直接影響します。
重点投資分野は不動産(交通量の多い好立地のサイト)と小売セグメントの収益力向上です。同社はロケーション重視で物件を所有・賃借し、テナント運営(ディーラー、コミッション、会社直営など)を適した形に最適化することで、リテールの粗利を高める戦略を取っています。実例として、Applegreenから59拠点のリースを解約して資産を取得する取引を行い、これに関連して総考慮額16.9百万ドル、現金支出合計で約25.5百万ドルを計上しました。主要精製事業者やブランドとの長期的な供給関係を維持することで価格や供給の安定性を確保し、在庫については各サイトで平均5日分の燃料在庫を保つなど、需給管理にも注力しています。
新市場開拓や事業拡大は、既存エリア内での買収と既存資産の「クラス・オブ・トレード(最適運用形態)」の見直しを両輪に進めています。同社は低パフォーマンス資産の売却と同時に、可能な限り卸供給関係を維持してキャッシュフローを残す方針を採っており、2024年末時点で売却対象(保有資産の売却予定)として計上したサイトは10件に上りました。過去の買収事例としては2022年にCSSから供給契約等を約2,750万ドルで取得しており、今後も買収による営業キャッシュフローの拡大とEBITDAの向上を通じて、1ユニット当たりの分配可能キャッシュフローの増加を狙っています。ただし、買収条件や資金調達環境によっては成長が制約されるリスクがある点も投資家が留意すべき事項です。
技術革新と運営効率化については、同社は財務・運営面の情報管理を強化して資本配分をデータで判断する取り組みを進めています。開示・内部統制の整備を継続しており、2024年以降の新会計開示基準にも対応する体制を整えたと報告しています。また人事・報酬設計を通じて経営陣と従業員のインセンティブを業績に連動させることで、資本効率の改善を図っています。具体的には、2024年に従業員へ33,061のファントムユニットを付与し、パフォーマンス連動型報酬(2025─2027年を対象に増加した資金フローとレバレッジの両要素を評価する報酬)を導入するなど、数値目標に紐づく施策で運営の高度化を目指しています。