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CACI INTERNATIONAL INCCACI
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事業内容
CACI INTERNATIONAL INCは、米国を拠点に国家安全保障や防衛、政府機関向けのIT技術と専門サービスを提供している企業です。同社は情報優位を支える指揮統制・通信・情報収集(C3I)やサイバー防御、業務のデジタル化と自動化、エンタープライズITの近代化、プラットフォーム統合や整備支援、宇宙関連の意思決定支援や電磁スペクトル領域の技術などを中心に事業を展開しています。
主要顧客は米国の防衛・情報・連邦機関が中心で、外国政府や一部の商業顧客にもサービスを提供しています。売上の大半は米国内の政府契約から生じており、政府の予算や契約更新の判断が業績に直接影響を与える点が収益構造上の特徴です。
同社の事業は国内事業と国際事業に分かれ、国内が約97%を占め、国際部門は英国拠点を通じてITサービスやデータ・ソフトを提供しています。各分野ではソフトウェア主導の信号情報や電子戦、サイバー攻撃・防御、データ分析や業務プロセス改革、システム統合・訓練・ロジスティクス支援などを組み合わせて、長期の複数年契約やタスクオーダーで成果を出しています。
経営方針
同社は成長を「有機的な売上拡大」と「選択的なM&A(企業買収)」の両輪で実現することを目指しています。2025会計年度の連結売上高は約86.3億ドル、純利益は約4.998億ドルで、営業キャッシュフローは約5.47億ドルと堅調です。経営方針としては引き続き収益性とキャッシュ創出を重視し、株主還元としては2023年に承認した最大7.5億ドルの自社株買い枠を活用しており、2025年6月末時点で残余約1.873億ドルが残っています。
同社が重点投資する分野は、統合指揮統制(C3I)、サイバー防御、デジタル化・業務改革、エンタープライズIT、ミッション支援・工学、宇宙関連、そして電磁スペクトラム優位性(スペクトラム)です。差別化の源泉としては「ソフトウエア定義型」の信号情報や電子戦技術、無線周波数(RF)や光技術といったハードとソフトの組合せ、さらにデータ融合・意思決定支援の能力に重点を置いています。具体的な投資手段としては、2024年10月に買収したAzure Summit(買収対価約13.1億ドル)など、専門技術を一気に取り込む大型買収と、自社内の設備投資(年度で約6,390万ドル)を併用しています。
新市場の開拓では、従来の米国政府向け事業に加え国際市場と商用分野の拡大を狙っています。国際部門は売上の約3%にとどまるため、買収や現地子会社を通じて英国・欧州などでの商用・政府案件の比重を高める計画です。政府向けについては大型・長期の案件獲得を重視し、複数年のタスクオーダーや枠契約(例:政府ワイド契約)を通じて受注基盤を拡大する一方、契約形態(出来高払い、時間材料、固定価格)による収益性の変動を経営で管理しています。
技術革新への取り組みは、内部研究開発とM&Aの両面で進められています。研究開発費は国内での即時損金算入規定の恩恵を受け、同社はこれにより2026年度の現金税負担が大きく改善する見込みです。また、買収した技術資産の価値評価ではロイヤリティ方式などを用いて将来キャッシュフローを慎重に見積もり、製品・サービスの差別化に直結する技術開発(サイバー攻撃・防御ツール、データ分析基盤、運用自動化など)へ重点的に投資しています。人材面でも採用・育成に注力し、獲得した技術を現場で活用できる体制整備を進めています。