BOYD GAMING CORPBYD

時価総額
$62.5億
PER
統合型リゾート・カジノ運営の米国大手。ロイヤルティプログラムやオンラインカジノ、キャッシュレス決済を展開。2022年11月のPala Interactive買収(175.2百万ドル)、2024年9月のResorts Digital買収(34.0百万ドル)を実施。米国全土とカナダで展開。

ランドスケープPowered by 会社四季報オンライン

企業概況
101文字)
業績概況
テーマ
2項目)
ブランド
ライバル企業
1社)
同業種の日本企業

事業内容

BOYD GAMING CORPは、北米を中心にカジノを核としたゲーミングとホスピタリティ事業を展開しており、カジノフロアやホテル、飲食店、イベント施設などを運営しています。近年はオンライン事業にも力を入れており、外部企業の買収を通じて地域型のオンラインカジノや関連技術の獲得を進めています。

同社の主要な顧客は、カジノやリゾート施設を訪れる来場客と、同社のデジタルプラットフォームを利用するオンライン利用者です。収益の柱はスロットやテーブルゲームなどのゲーム収入で、これにホテル宿泊、飲食、娯楽イベント、オンライン賭博やロイヤルティ経由の売上が続きます。

同社の事業は大きく実店舗のゲーミング・ホスピタリティ部門とオンライン部門に分かれており、実店舗ではカジノ運営とともに宿泊やF&Bで顧客支出を取り込んでいます。オンライン部門では自社運営のサイトや技術提供の両面で地域展開を図り、会員向けのBoyd Rewardsやキャッシュレス決済などを通じて顧客のリピート獲得を目指しています。

経営方針

同社は持続的な収益成長と株主還元の両立を目指しています。具体的には、ゲーミング収益の最大化とコア顧客のロイヤリティ強化を成長の軸に据え、資本配分は「事業投資と株主還元のバランス」を基本方針としています。株主還元の実行例としては、取締役会が設定した自社株買いプログラムがあり、当初の3億ドルに加え2022年から2024年にかけてそれぞれ5億ドルずつ増額され、合計で約2.3億ドル($2.3 billion)の枠が承認されました。2024年には1,108.6万株、総額約6.86億ドルを買い戻しており、配当についても2025年2月に1株当たり0.18ドルの現金配当を発表しています。

投資の重点分野は既存施設の強化とオンライン事業の拡大で、差別化は「現地での顧客体験」と「自社の顧客データを活かしたデジタル連携」にあります。具体策としては、既存施設のアメニティ改善や新施設開発への投資を続ける一方、会員プログラム「Boyd Rewards」やキャッシュレス財布「BoydPay」を通じて顧客行動を把握し、プロモーションやリテンション施策に結び付けています。さらに、従業員文化「Boyd Style」によるホスピタリティの徹底で競合との差別化を図っており、平均在籍年数8.5年、従業員満足度77%という内部指標を重視しています。

新市場開拓と事業拡大では、M&Aと地域別のオンライン進出を組み合わせる戦略を採っています。オンラインではPala Interactiveの買収(買収に伴う実質支払額は約1.679億ドル)やResorts Digitalの取得(純支払約3,030万ドル)などで技術・人材を取り込み、各州での法整備に合わせて事業を展開する方針です。オフライン面ではノーフォークのカジノ・プロジェクトを独占的に開発・運営する合意があり、暫定施設を2025年11月に開業、完全なカジノホテルリゾートを2027年末に開業する見込みで、同プロジェクトへの総投資額は約7.5億ドルを想定しています。

技術革新への取り組みは経営戦略の重要な柱で、同社はサイバーセキュリティを経営リスク管理の中核と位置付け、NISTのフレームワークを参考に多層防御・継続的監視・従業員教育を実施しています。デジタルプラットフォームの安定性はオンライン業務の成否に直結するため、システム防護や第三者リスク管理に投資するとともに、買収した自社技術を活用して地域オンラインの拡大と既存顧客のクロスセルを図っています。一方で、債務や規制承認、システム障害といったリスクが業績に影響を及ぼし得る点は同社も認識しており、バランスシートの強化と慎重な投資判断を並行して進めています。