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BXP, Inc.BXP
事業内容
BXP, Inc.は大都市圏を中心に高品質なオフィスビルやライフサイエンス、複合用途物件の開発・所有・運営を行う不動産会社です。同社は自社で物件管理とリーシングを行い、建物の維持管理や入居者対応、魅力的な設備やサービスの導入で顧客の満足度と定着率を高めています。
主要な顧客は大手企業、大学、公共機関やライフサイエンス企業などで、賃料収入が収益の中心です。同社は既存契約の更新や新規リースで収入を確保・拡大しており、2024年には約560万平方フィートのリーシングを実行し、平均リース期間は約9.8年でした。
事業は所有資産の賃貸運営に加え、選択的な再開発・新規開発、共同事業や資産の取得・売却を含みます。同社は自治体との関係や開発ノウハウを活かして用途転換や複合開発、住宅化などで価値向上を図り、約1,950万平方フィート分の追加開発余地を保有しています。
経営方針
同社は投資家に対して長期的な総合リターンの最大化を目指しています。成長の重心はボストン、ロサンゼルス、ニューヨーク、サンフランシスコ、シアトル、ワシントンD.C.の六つのゲートウェイ市場に集中しており、これらの市場の中でリーダー的な開発・保有・運営を目指しています。保有・契約済みなどで今後開発できる用地は合計で約1,950万平方フィート分をコントロールしており、2024年には約560万平方フィートの賃貸を実行、当該年の新規リースの加重平均契約期間は9.8年、ポートフォリオ全体の稼働中リースの加重平均残存期間は約7.8年でした。財務面では連結負債が約162.2億ドル、連結時の時価総額は約293.3億ドルで、負債比率(連結負債/連結時価総額)は約55.3%と、資本構成を積極的に管理して健全性を保つことを重視しています。
同社は重点投資分野として高品質オフィス、ライフサイエンス施設、選択的な小売・住宅を掲げており、差別化は「高い参入障壁があるサブマーケットを狙う」「複雑で技術的に難しい開発を手掛ける」「施設管理・賃貸・開発を社内で一貫して行う」という点にあります。自社で直接プロパティマネジメントを行うことで入居者の満足度を高め、更新や拡張を促して稼働率と賃料を引き上げる戦略をとっています。また既存資産のリポジショニング(改修や用途転換、例えばオフィスからライフサイエンスや住宅への転用)により付加価値を創出することも重視しています。
同社は外部成長として選択的な買収や共同事業(ジョイントベンチャー)を活用する計画です。機会があれば金融機関や個人からの物件ポートフォリオや不良化した資産を取得し、マーケティングや資本改善で価値を回復させます。実例としては、ケンブリッジの290 Binney Streetで開発中の約573,000平方フィートのライフサイエンス施設について45%の持分を売却する取引を行い、RestonのSkymarkでは508戸・約417,000賃貸平方フィートの住宅プロジェクトをジョイントベンチャーで稼働させています。加えて、社外からの開発受託や融資機会も探索し、市場環境に応じてコア資産の一部売却やポートフォリオの組替えを行うことで資本効率を高める方針です。
同社は技術革新とサステナビリティを重要な競争優位と位置づけ、設備面では高度な通信インフラやハイブリッドワークを支える共用サービス、入居時の利便性を高めるアメニティ、エネルギー管理や省エネ改修などに投資しています。サステナビリティ戦略は六つの重点市場全体で事業運営や開発を通じて利害関係者に良い成果をもたらすことを目標とし、建物のシステム改修や再配備によりライフサイエンス用途への転換や省エネ化を進め、入居者のニーズに合った「選ばれるランドロード」をめざしています。