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BORGWARNER INCBWA
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事業内容
BorgWarner Incは自動車向けの部品・システムを設計・製造する大手サプライヤーで、内燃機関向けの伝統的な製品とハイブリッド・電気車向けの電動化製品(eProducts)を中心に事業を展開しています。同社は燃費向上や排出低減、電動化に資する部品や電力制御技術の開発に注力しています。
同社の売上は大半が自動車メーカー(OEM)向けで、製品は主に長期契約や年間契約に基づき直接納入しています。2024年は乗用車向けが約81%を占め、フォードやフォルクスワーゲンなどの大手顧客が上位に入り、上位10社で約67%を占めています。
事業は複数のセグメントで運営し、基礎的な駆動系製品群と電動化に特化した製品群をバランスよく保有している点が特徴です。代表的な製品には過給器、変速系部品、トルク伝達装置、冷却ファンや燃料系部品に加え、インバーターやパワーエレクトロニクスなどの電動化コンポーネントがあり、同社は研究開発や特許(約5,190件)を通じて差別化を図っています。
経営方針
同社は「電動化(eProducts)と基幹製品(Foundational products)の両輪での収益性ある成長」を掲げています。具体的には電動車向け製品の売上を積極的に拡大しており、eProductsの売上は2022年の約15億ドルから2024年には約23億ドル(全体の約17%)へと拡大しました。一方で内燃機関向けなどの基幹製品は2024年に約118億ドル(約83%)を確保しており、市場ごとの電動車普及の不確実性に備えてバランスの取れたポートフォリオを維持することを目指しています。
同社は研究開発と選択的な投資によって差別化を図っています。2024年の総R&D投資は約8.72億ドルで、顧客負担を差し引いた純R&Dは約7.36億ドル、売上比で約5.2%を投じています。特許・出願は約5,190件を保有し、パワーエレクトロニクスや高電圧ファン、充電ソリューションなど、電動車向けのコア技術に重点投資しているため、製品供給だけでなく技術ライセンスや差別化された設計力で競合と差をつけることを目指しています。
新市場開拓と事業再編では、M&Aと地域拡充を明確な成長手段と位置づけています。近年は北米の充電事業強化のためにRhombus(買収額約1.31億ドル)を取得し、欧州の電力エレクトロニクス強化のためEldor(買収額約7200万ユーロ=約7800万ドル)やスイスのDrivetek(約2700万スイスフラン=約2900万ドル)を買収しました。同時に競争力のない事業は切り離し、年間売上高で約30〜40億ドル分の基幹事業売却を想定することで、資本と経営資源を電動化関連に再配分する計画です。加えて2023年に燃料系とアフターマーケット部門を分社化(PHINIAのスピンオフ)したことも、ポートフォリオの最適化の一環です。
技術革新への取り組みは実務的で即効性を重視しています。製品化までの投資と並行して、アジュール的な技術(パワーエレクトロニクスやインバータ、充電インフラ)に重点を置き、社内開発と外部技術の組み合わせで市場投入を早める方針です。加えて、ジョイントベンチャーや顧客と連携した共同開発を進め、サプライチェーンや顧客の生産計画変動に対応できる生産体制と柔軟な商品設計で、変化の大きい自動車市場での競争優位を確保することを目指しています。