Burlington Stores, Inc.BURL

時価総額
$178.1億
PER
衣料とホーム用品を扱うオフプライス小売の大手。ブランド衣料と家庭用品を最大60%オフで販売するビジネスモデルを展開。2023年8月に最大5億ドルの自社株買い枠設定、2024会計年度に1,013,561株(2億4190万ドル)を買戻し。米国46州、ワシントンDCとプエルトリコに1,108店舗で展開。

事業内容

Burlington Stores, Inc.は米国を中心に展開するオフプライス小売企業で、ブランド品を割安な価格で提供することを主力事業としています。同社は大型の直営店舗網を通じて衣料や家庭用品など幅広い商品を販売し、来店型の販売を軸に成長してきました。

同社の主要顧客は価格に敏感で幅広い年齢層の一般消費者で、売上の大半(約99%以上)は実店舗から得ています。売上は学用品期や年末のホリデー期に偏る季節性が強く、在庫と品揃えの動きが収益に直結する構造です。集客のためにテレビやデジタル、メール、ソーシャルなどを組み合わせたマーケティングも行っています。

同社は婦人服、紳士服、子ども服、ベビー用品、化粧品、履物、服飾雑貨、家庭用品、玩具、ギフト、コートなど多様な商品ラインを揃え、主に国内の大手メーカーなどから一流品を仕入れてディスカウント価格で販売しています。物流面では複数の配送センターと店舗ネットワークを活用し、多くの店舗は賃貸ですが一部を自社保有して運営しています。これらの体制で日常的な低価格と季節ごとの魅力的な品揃えを両立させることで差別化を図っています。

経営方針

同社は中長期での成長に向け、既存店売上の拡大と出店による規模拡大の両面を重視しています。具体的には、最終的に約2,000店舗の運営を目指しており、直近では年間約100店の純増を想定していて、2024〜2028会計期間で合計約500店の純増を見込んでいます。また既存店売上は保守的な成長見通しで計画しつつ、機動的に売上トレンドを追うことで機会買いを取り込む戦略を取っており、資本配分では最大5億ドルの自社株買い枠(2023年承認)を掲げ、2024会計年度に約2.42億ドルを消化しました。

差別化の中心は商品力と陳列回転の向上にあります。同社は在庫を過去水準よりも絞り、より新鮮で価値のある商品を高頻度で入れ替えることで回転率を上げ、値引き(マークダウン)の削減を図る方針です。これを支えるために、バイヤー教育やコーチング、分析ツールと報告体制の強化、成長分野での増員など「マーチャンダイジング能力」への投資を継続し、婦人・ジュニア衣料、ビューティー、ホームといった既存カテゴリーの拡充や新規カテゴリー導入の柔軟性を高めようとしています。

出店・不動産戦略は市場重視かつ財務規律に基づきます。同社は小型プロトタイプの店舗を活かして米国内で拡大余地を確保しており、既存店の移転やダウンサイジングで顧客体験や競争力を改善しつつ賃借コストを低減する施策を取っています。物流面でも配送・倉庫の最適化に投資し、将来的には自社保有の倉庫比率を高めるとともに専用の処理施設や自動化設備への投資で供給網の効率化を進め、営業マージンの改善を目指しています。

技術面では販売チャネルのデジタル活用と情報セキュリティの強化を両輪で進めています。デジタル広告、メールやソーシャルメディアによる顧客誘導で実店舗への来店を促しつつ、輸送効率化や将来的なオートメーション投資でサプライチェーンを革新しています。情報セキュリティは経営リスク管理の一部として取締役会へ定期報告され、CIOとCISOが主導するインシデント対応計画やサイバー保険を整備しており、運用面と統制面の両方で安全性向上を目指しています。