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BOSTON SCIENTIFIC CORPBSX
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事業内容
Boston Scientific Corporationは、心臓血管、末梢血管、神経、泌尿器、消化器など幅広い診療領域向けの医療機器を世界的に開発・製造・販売する企業で、患者の負担が小さい低侵襲治療を中心に製品を展開しています。新製品は社内の横断的なチームや研究機関・臨床医との連携で設計・評価し、臨床的に有用で経済性の高いソリューションの提供を目指しています。
同社の主な顧客は病院、診療所、外来施設や医師事務所であり、大口の購買組織や病院ネットワークが売上の重要な部分を占めています。多くの国では直販組織を通じて販売し、現地に直接拠点を持たない市場では代理店を活用しており、売上の大半は直販国から得られています。
事業は心臓病治療(カーディオロジー)、末梢血管治療、神経モジュレーション、泌尿器、内視鏡などのセグメントに分かれ、それぞれに専門の営業・マーケティング体制を置いて医師や病院のニーズに対応しています。加えて同社は戦略的な買収を通じて製品ラインを補完・拡大し、臨床効果とコスト面での差別化を図ることで成長を追求しています。
経営方針
同社は持続的な収益成長と収益性改善を両立させることを目指しています。直近の年次決算では2024年の売上高が約167.5億ドル(前年の約142.4億ドルから17.6%増)と大幅に伸びており、同社はオーガニック成長の拡大と戦略的な買収を成長エンジンと位置づけています。一方でコスト構造の最適化にも取り組んでおり、2023年に開始したグローバルなリストラクチャリング計画では総税引前費用として約4億5千万〜5億5千万ドルの特別費用を見込み、完了後には年間約2億2千5百万〜2億7千5百万ドルの費用削減を見込んでその多くを成長投資へ再配分する計画です(計画は2025年末までに概ね完了予定)。
重点投資分野としては、循環器、末梢血管、泌尿器、内視鏡、神経調節、腫瘍向けのポートフォリオ強化を掲げています。差別化戦略は、医師にとって臨床的に優れた結果と経済的な価値を両立する「侵襲の少ない治療法」を提供することにあり、そのために次世代技術への内製研究開発と併せてAxonics(約34.1億ドル)、Silk Road Medical(約11.3億ドル)、Relievant(約7.94億ドル)など複数の買収で製品ラインを拡充してきました。製造網や供給チェーンの統合・最適化にも注力しており、生産拠点の再配置や滅菌・流通プロセスの効率化で競争力を高めようとしています。
新市場開拓と事業拡大は買収と現地展開の二本立てで進められています。同社は127か国で製品を販売する既存のグローバル販売網を活用する一方、中国のAcotecへの出資や、新興市場での研究開発チーム設置など地域ごとの戦略も強めています。2024〜25年にかけてCortex(約2.48億ドル)、Bolt Medicalの残り持分取得(約4.43億ドル+マイルストーン)、Intera Oncology(約1.75億ドル)など追加投資・買収を予定・実行しており、これらは主に心臓領域や末梢血管、がん治療領域の拡大を目的としています。買収資金は手元資金と短期の社債(コマーシャルペーパー)などを組み合わせて調達する方針です。
技術革新への取り組みは、社内の機能横断チームによる新製品開発と外部の研究機関・臨床パートナーとの連携を両輪にしています。早期に臨床ニーズを取り入れることで、実用性の高い製品を効率的に市場投入するプロセスを確立しており、新興市場での低コスト開発拠点の活用や、デジタル技術・人工知能の適用拡大も重要課題と認識しています。ただし新製品開発には臨床試験や規制承認など時間と資金がかかるため、同社は研究開発投資と買収で取得した技術の両方を使い、実用化までのリスク管理を図りながら技術基盤を強化しています。