Broad Street Realty, Inc.BRST

時価総額
$90.7万
PER
食料品アンカー型と複合用途の商業不動産運用の新興企業。保有・賃貸・資産管理と仲介サービスを展開。2024年12月31日現在で15物件保有、うち2件を再開発中、Fortress関係の出資。米国中大西洋、南東部とコロラド州中心に展開。

事業内容

Broad Street Realty, Inc.は、食料品店を核とした生活必需品中心の商業施設や居住混合型の不動産を、米国の中大西洋地域、南東部、コロラド州の雇用集積地や大学周辺を中心に取得・保有・運営しています。同社は2024年末時点で15物件を保有し、そのうち2件を再開発中で、立地の人口密度や視認性、アクセスの良さを重視してテナントに利便性の高いロケーションを提供しています。併せて自社ポートフォリオおよび第三者向けの商業不動産仲介サービスも展開しています。

主要な顧客は食料品や日用品を扱うアンカーテナントやインラインの小売テナント、そして学生向けを含む居住者で、同社の収益は主に賃料収入と物件管理・仲介手数料で構成されています。2024年末の賃貸面積に対する賃貸率は約92%と高く、安定した賃料収入を重視する収益構造です。保険料や一部の共通経費はテナントに転嫁する仕組みも取り入れています。

事業は、小売中心の所有・運営(アンカーテナントと小型店)、居住・学生向けユニット、再開発・再ポジショニング、物件管理・賃貸仲介、第三者向けの仲介業務といった複数の領域に分かれます。同社の資産運用チームはテナント構成や地域の人口動態、交通利便性や建物の物理的状態を評価して賃料や稼働率の改善に努め、長期的な価値向上を目指しています。

経営方針

同社は長期的にポートフォリオを拡大することを目指しています。2024年12月31日時点で保有物件は15件、総賃貸面積は約191万平方フィートで、賃貸率は92.1%、稼働率は89.5%となっています。成長は主に取得による拡大を想定しており、既存市場(Mid‑Atlantic、コロラド等)に加え、より成長が見込まれる南東部(Southeastern United States)など新市場での買収を積極的に検討しています。短期的には総額約2,400万ドルの債務が1年以内に満期を迎えるため、同社はリファイナンスや外部資本調達を組み合わせて流動性を確保する計画を取っています。

同社は生活必需型のグローサリー(食料品店)をアンカーとしたリテールと混合用途資産に重点投資することで差別化を図っています。物件選定では人口密度や通勤・通学の集積点、高い視認性や信号付き出入口といったアクセス性を重視し、テナントの売上・信用力や地域の世帯所得などを定量的に評価しています。買収時には「置き換えコストより低い価格で取得して改修・再ポジショニングする」ことを狙い、これにより賃料の引上げや稼働率向上を目指します。さらに自社でのプロパティマネジメントやブローカー業務を行い、賃貸・運営面の内製化で収益性を高める方針です。

新規市場開拓と事業拡大では、取得による横展開に加え、既存物件のリポジショニングや再開発にも投資しています。実際にポートフォリオのうち複数物件で再開発を進めており、改修や設備投資により収入と占有率を改善することを狙っています。運営コスト面では、物件数が増えることで総管理費は増加する見込みですが、収益に占める割合はスケールメリットで低下すると見込んでおり、これによって一株あたりの価値向上を図る戦略を取っています。

技術面では特にサイバーセキュリティとデータ活用に注力しています。同社は外部のIT/サイバー専門会社と契約し、年次監査を受ける体制のもと24時間監視、従業員向けのフィッシング訓練、インシデント対応計画やデータバックアップを整備しています。加えて物件取得の意思決定には賃料・費用の将来キャッシュフローモデルや感応度分析を用い、デモグラフィックやテナント別の売上データなどに基づいてリスク・リターンを定量的に評価することで投資の精度を高めています。