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BROWN & BROWN, INC.BRO
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事業内容
BROWN & BROWN, INC.は米国フロリダ州に本社を置く多角的な保険仲介企業で、損害保険や従業員向け給付などの保険商品を仲介・手配しています。同社は保険会社と顧客の間に立ち、保険契約の設計やリスク管理の提案、関連する業務サービスを提供しています。一般に自ら大きな引受リスクを負うことは少なく、中立的な仲介機能を重視しています。
主要な顧客は個人や中小企業、大企業、自治体、そして保険会社や他の保険代理店など多岐にわたります。同社の収益は主に保険会社から受け取る手数料(保険料に対する割合)で成り立ち、一部の業務については顧客から直接受け取る手数料や業務委託料も得ています。加えて、業績に連動する追加報酬やプログラム運営に伴う収入も重要な構成要素です。
事業は大きく小売(個人・企業向け販売)、卸売ブローカー(他の代理店向けの引受先手配)、保険プログラム運営(特定業種や公的機関向けの専用商品)、業務サービス(第三者による請求処理や医療管理など)の四分野で展開しています。小売は幅広い保険商品の販売を行い、卸売は引受の難しいリスクや過剰保険を扱うことで差別化しています。プログラム部門では専門職や特定産業向けのパッケージ商品を管理し、サービス部門は請求代行や医療関連の管理業務で保険会社や企業を支援しています。
経営方針
同社は持続的な成長を目指しており、その戦略の中心に買収と有機的成長を据えています。具体的には、2024年に32件の買収(うち複数は顧客口座の取得を含む)を実行し、買収に伴う現金支出は年間で約9.34億ドルにのぼりました。加えて、株主還元にも注力しており、2014年以降で約2,000万株を総額約7.48億ドルで取得してきた実績があり、2024年末時点で株式買戻しの残枠は約2.49億ドルあります。こうした外形的拡大を通じて収益規模と市場シェアの拡大を図る一方で、従業員持株比率約20%など社員の当事者意識を高める仕組みも維持しています。
同社が重点的に投資する分野は、保険プログラム運営、ホールセール仲介、サービス提供の三本柱であり、これらを通じた差別化を図っています。プログラム事業では専門職向けやパーソナル、商業、公共団体、特化型の五つのカテゴリーでキャリアと提携して専用商品を作り、ホールセール部門は米国内24州に加えベルギー、香港、イタリア、英国にも拠点を置いてニッチ市場にアクセスしています。差別化の肝は分権化した営業組織と地域密着型の顧客サービス、ならびにキャプティブ(自己保険組織)やWrightを通じたフラッド(洪水)領域の引受けなど、他社が単独では提供しにくいソリューションの提供にあります。
新市場開拓と事業拡大は主に買収と既存事業の横展開で進められています。過去数年で毎年30件前後の買収を継続しており、買収後は顧客台帳や営業チームの統合、買収に伴うアーンアウト条項の評価といった実務面の整備に投資してきました。加えて、海外の子会社を通じた欧州・アジア展開や、書籍買収による既存セグメントの拡大、キャプティブを使った追加的な引受け能力の確保といった手法で、新たな収益源を追求しています。一方で、買収の失敗リスクや統合コスト、規制適合といった課題があることも明確に認識しています。
技術革新については、業務効率化と情報セキュリティを両輪に重点投資を行っています。社内のTechnology Solutionsチームと外部ベンダーを組み合わせて保険業務の請求処理や引受け情報の整備を進めるとともに、情報セキュリティには継続的に投資し、ポリシー整備や社員教育を実施しています。最高セキュリティ責任者は35年以上の経験を有し、同社の監査委員会に四半期ごとに報告する体制でリスク管理を企業統治に組み込んでいます。さらに、買収先の統合を支える財務・経営情報システムの強化や、リモート/ハイブリッド勤務を前提としたオフィス運用の見直しにも取り組んでいます。