BERKSHIRE HATHAWAY INCBRK-B

時価総額
PER
持株会社の最大手。保険、貨物鉄道、電力・エネルギー、製造・小売を含む多様な事業を展開。2022年10月に115億ドルで保険グループを買収、2023年1月に約82億ドルでの大口出資、2024年1月に26億ドルで残株取得。米国を中心に北米・欧州・アジアで事業展開。

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企業概況
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業績概況
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テーマ
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ブランド
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ライバル企業
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同業種の日本企業
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事業内容

BERKSHIRE HATHAWAY INCは、複数の子会社を通じて保険、鉄道、電力・ガス、小売や製造など幅広い事業を展開する持株会社です。同社は保険事業で保険料を集めその資金を投資に回して収益を得る一方、各子会社を通じて製品やサービスを直接販売しています。

同社の顧客は個人から大企業まで幅広く、保険契約者や電力・鉄道の利用者、製造品の発注元などが含まれます。収益は保険料とその運用益、そして各事業会社が生む販売・サービス収入で成り立っており、投資ポートフォリオの価格変動が業績に大きく影響しています。

同社は主に保険(損害保険・再保険)、貨物鉄道、ユーティリティー・エネルギー、製造・流通・小売といったセグメントで事業を行っています。具体的には鉄道が貨物輸送を担い、エネルギー部門が発電や送配電を行い、製造部門や小売部門は産業部品や特殊素材、消費財や店舗サービスを提供しており、分散した経営体制で長期的な現金創出を目指しています。

経営方針

バークシャー・ハサウェイの成長戦略は、長期的な現金創出力と資本配分力を核に据えた「買収+保有」型です。同社は一貫して収益性が安定した事業を丸ごと買収して経営は委任し、資本は株式投資や再投資に振り向けています。具体的には、過去数年でアレゲニー(約115億ドル買収)やパイロット(2023年に約82億ドルで追加取得し、2024年に残り持分を約26億ドルで取得)などの大型買収を実行し、必要最低限の流動性基準として現金等を300億ドル(約30億?注:報告書の表現は“$30 billion”)以上に保つ方針を明示しています。また、2024年の投資損益は約528億ドルの利益を計上するなど、投資収益も成長の重要な源泉です。

同社が重点を置く投資分野は保険、鉄道、公益・エネルギー、製造・工業製品、住宅や小売といった幅広い実体経済領域です。差別化の源泉は極端な分散管理ではなく「経営の権限委譲」と「強固な資本基盤」です。各事業は現地経営陣に大きな裁量を与え、親会社は資本配分と投資の最終判断を行います。また、株式ポートフォリオは少数の大型投資に集中しており、2024年時点で保有株式の約71%が上位5社に偏っている点が特徴です。これにより短期の市場変動にはさらされますが、同社は長期保有と十分な流動性でリスクに備える戦略を取っています。

新市場開拓や事業拡大は、M&Aによる横と縦の拡張と大型インフラ投資の両面で進められています。最近の具体例では、液化天然ガス事業でのCove Pointの出資比率を25%から75%に引き上げるために約33億ドルを投じるなどエネルギー分野の拡大や、住宅関連のClayton Homesが2024年に売上約124億ドル、貸付残高が約272億ドルと成長している点が挙げられます。鉄道や電力といった資本集約的事業では、将来数年間にわたる支払予定(例:2025年に約120億ドル等)を見込んだ設備投資が継続され、同社はこれらを通じて基幹事業の収益基盤を強化することを目指しています。

技術革新への取り組みは、中央集権的な開発投資というよりも各子会社ごとの実務的な導入を重視しています。サイバーセキュリティでは全社的な枠組みを設け、各事業グループの情報セキュリティ責任者が年次報告を行う運用を採用しており、外部ベンダーと連携して対策を強化しています。また、製造子会社では工程改善や高度加工技術への投資、航空関連ではNetJetsやFlightSafetyの訓練・運航技術への投資、公益分野ではグリッドやLNG設備への資本投入といった実務的な技術投資を通じて競争力維持を図っており、同社は堅実な技術導入で事業の生産性と耐久性を高めることを目指しています。